昨日、読書中に眠くなり、椅子の背もたれに寄りかかった状態で居眠りをした。
そうしたらバランスをくずして、椅子から落ちそうになったところでハッと目が覚め、いや目を覚まされ、反射的にバランスを取直して、落下から免れた。
目を覚まして我に返る、すなわち覚醒して作動する意識はシステム1※で、さらに自我が明確にこの状態を認識するのはシステム2である。
※心の多重過程モデル:”心”を以下のサブシステムからなる高次システムとみなすモデル
システム0:覚醒・自律神経などのほとんど生理的な活動。生きている間は常時作動
システム1:条件づけなどによる直感(無自覚)的反応。覚醒時に優先的に作動
システム2:思考・表象による意識活動。システム1で対処できない場合に作動
ここではシステム3以降は省略
言い換えれば、睡眠中の心は、システム1・2ともに作動停止状態(夢見ならシステム2は作動)で、作動しているのはシステム0だけとなる。
ということは、椅子からの落下を防ぐ反射行動をしたのはシステム0だ。
すなわち、システム0は意識のない睡眠中も、夜間警備員のように独力でチェックをし続け、そして必要があれば寝静まっていたシステム1・2を起こす。
自分自身が、意識下にあるこのシステム0(心の基底システム※)に見守られていることを実感した。
※:意識から独立して作動するシステム0を”心”の過程の1つと見なす根拠は、これが独自に情報処理をしているから(心=情報処理)。
日頃、”閉眼片足立ち”をして、システム0(体幹バランスの反射的制御)をトレーニングしているのも役立ったかもしれない。
「システム0とシステム3」http://web.sugiyama-u.ac.jp/~yamane/kenkyu/2016/system0-3.pdf
をネットでみつけて拝読し、面白いしなにより低能なわたしが読める(理解できる)くらいわかりやすくて、感激してお名前をググってこちらにたどり着きました。
わたしは風船業を営んでいますが、人生最後のお仕事をキャリアコンサルタントに決めました。
(こちらです)
https://do-kigyou.com/
試験のためにちょっとだけ学んだ心理学が面白くて、今は独学で心理学を学んでいます。仕方なく論文を読むことはありますが、ほとんどは一般に市販されている(図書館で借りられる・笑)書籍で学ぶ程度です。
この記事(居眠り中に椅子から落ちなかった理由)への質問です。
電車で居眠りしたときに何度か経験しているのですが、よだれを垂らしそうになってハッとして目が覚め、ずずっとすすって間に合ったことが数回あります。
(垂れちゃったこともあります・笑)
椅子から落ちないようにシステム0が働くのはきっと、命を守るためだろうなと思うのですが、よだれは別に、垂れちゃっても恥ずかしいだけだと思うんです。
どうしてよだれでも「ハッとして目が覚める」のでしょうか?
心理学に関係ないブログがたくさん^^
またおじゃまします!!
私の研究者人生最後の仕事は、科学的心理学とスピリチュアル系とを(科学側で)統合することにあるようです。
ただ、お問い合わせの問題については、実証的研究を知らないので、事後解釈的な説明しかできません。
私自身は経験ありませんが、昔、電車内で一緒にいた友人が居眠りをして、よだれが垂れて、落ちる前に目を醒ましたのを目の当たりにしたことがあります。
ます眠っているのはシステム1・2の通常の心で、システム0は睡眠中も作動しています。
私が閉眼片足立ちのトレーニングで痛感しているように、システム0は身体バランスの微妙な変化を独自に感受し、その変化を拡大して身体に伝えることがあります。
よだれが垂れ落ちそうな一種アンバランスな口内感覚が常時作動中のシステム0を通して、脳幹の網様体賦活系を刺激したと考えられます。
そのバランス感覚を感受したのは、意識から独立して作動している小脳かもしれません。
そもそも、よだれを垂らしそうになる睡眠状況は、首の筋肉が弛緩して、さらに口が下向きに開いた状態なので、あきらかにREM睡眠です。
この時は、夢を見ている状態といえ、それならシステム2はすでに作動していて、脳波的に覚醒に最も近い睡眠状態です。
言い換えれば、ちょっとした刺激で覚醒できる状態です。
網様体賦活系は、REM睡眠の発現にかかわり、小脳とも繋がっいて、システム0の中心的役割を果たします(システム0=脳幹、システム1=辺縁系、システム2=前頭前野)。
ただ、睡眠を維持するために夢を見るというフロイト的夢見の場合、ハッと目が覚めることなく、夢の中で処理してしまうこともありえます。
なるほど~、と思えるわかりやすい説明ありがとうございました^^
スピリチュアル的に言われていることってきっと理由がある(科学?)のかなと思っていました、山根先生が統合してくださるのですね!!すごいです、楽しみです。
またおじゃまします、ほんとうにありがとうございました。