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羊飼いの想い: イギリス湖水地方のこれまでとこれから

2023-09-04 11:28:14 | 
ジェイムズ・リーバンクス 著 早川書房刊 2023年初版 352P 2750円
前作の 羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季・・は古本で310円だったが これはまだ出たばかりなんでお高いので図書館の本。本書も多数の有力紙誌からの激賞を受けたほか、2021年のウェインライト賞(英国ネイチャーライティング部門)を受賞したらしい・・とカバー裏にある。前半は続編ぽいのだが 三章の進歩あたりから農業全体の話になる。章の始めにレイチェル・カーソンの沈黙の春から引用されてるのからわかるように 化学薬品による環境汚染について書かれ 農業の大規模化 工業化について警鐘を鳴らしている。消費者が食料はどういう環境でどうやって作られているかについて関心がなくなったので安ければいい・・という方向に進んだので生産者 まあこの場合は農家だが経営を圧迫し 少しでもコストを下げるために品種改良をし大規模化して数で補おうとする悪循環にはまってる。古い小規模の混合農業てのは確かにロマンではあるけれど経済的に成り立ちにくい。近代化した農業・・それは農業大学で教育を受けた効率性という教義の狂信者・・彼らはビジネスマンだ・・と。高級なランドローバーを乗り回し 自分の手を汚すことなくあたかも企業で働いているかのように話す偽ファーマーだと。食べ物は工業製品ではないし その生産が環境に与えるダメージも含めて農業を考えなければいけない・というのが主張だ。自然は無限の資源と埋蔵量があるという古い信仰は自然を破壊へと導くもので 自然は有限であり壊れやすい。そういう環境問題も含めての持続可能な農業 未来に残せる自然を守ろうよ‥って本。羊飼いの暮らしがお好きだった方にはいいだろうが 後半か環境啓発本みたいになってるので 評価は分かれるだろう。小規模な混合農業だけで生活が成り立つなら それもいいだろうが 著者自身 農場からはほとんど利益が上がらないので 別の仕事で補填してると書いてる。売れた作家なんでそれができるので著者の場合はそれで食えて 農場は理想の実現でやれるからいいだろうが 普通のファーマーにそれを求めるのは無理があると思う。結局こういう高い理想を唱えることができるのは ある程度余裕のある人に限られちゃうからだ。あたしもレイチェル・カーソンの沈黙の春も遺作のセンス・オブ・ワンダーも本棚にあるけれど 理想と現実のギャップはどうするのか?という問題は未だに未決着のままだ。セブンイレブンが自社ブランドのペットボトル飲料を再生プラに切り替えた・・と自慢げに宣伝してるがそんなん当然で あたし個人としては片道通行のPETボトルより 流通に手間がかかるが より環境に優しい繰り返し使えるガラスボトルに戻せ・・と思う。1.5リッターのコーラや リサイクルはできるが実際は環境を汚すビールやチューハイの缶も繰り返し使えるガラス瓶に戻せと思う。食のイベントで多用されるスチロールの容器や使い捨ての弁当容器 冷凍食品や練り製品のプラトレイ スーパーの刺身や肉だって経木で良くない?とか思うんだが。多少不便でも環境に配慮するなら そこまでやらないとダメなんじゃないの?と思わなくもない。あー瓶ビールを推すのは 缶より美味しいからだけなんだけどねw
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