熊本県庁でパスポートの申請をする。いつでもどこでも「見切り発車」人生です。カッコつければ冒険です。とにかく、8月の末には数名でブラジル公演を実現させる為の下見に行くことになる。
役作りのためのメモ
忘れられた女
「今じゃ、あたしのベッドも洗面器も疫病にかかって赤いまだらにさびついています。あたしは夜逃げの健康女。そう、自分の捨て場を探す血迷い女です。・・・あたしの惚れた男は疫病を患って死にました。あたしはついて行きたかった。真実一路の赤まだら。せめて世間並みになるために、疫病にかかりたいと、狂犬病を抱いて寝た。死人のツバも飲みました。疫病患者の髪の毛を食べ、肌を切って疫病の血を注ぎ込みました。でも、だめでした。視力2.0。握力は人の2倍、食欲性欲は荷役の馬なみ。走っても息切れせず、ますます元気になるばかり・・・。あたしは疫病にまで見捨てられた女です。お救い下さい。どうかこの肌に、百万粒の赤まだらを下さいまし。」
この台詞にはエロスがある。「愛」では物足りない「情」がある。
肥後の女(“火の国の女”とも言われています。)がこの台詞を吐くと、劇が演歌のようになります。元来、演歌は好きではありませんが劇に演歌が重なってしまうと感動的になるのは何故か。胸を張って言おう。それは夢桟敷が熊本の劇団だからだ。染みてきているのである。