スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(日ロ交渉)

2019-01-18 14:01:59 | 日記
1月18日(金)
 日ロ首脳会談が今月22日に行われるそうだ。場所はモスクワとのこと。会談は不調に終わるとのマスコミ論調だが、昔読んだ外交専門家と称する人の言を思い出した。その人に依れば交渉を纏めたいと本当に相手が思っているのなら、一番強硬な意見を持つ人間を担当者に当ててくるとのことである。今回ロシアは第二次大戦で北方四島はロシア領になったとか、歯舞色丹に米軍施設を置かない約束をしろとか、とても日本側が呑めない事前アドバルーンを上げている。しかしもし交渉の場でこの条件を取り下げて、二島返還に合意したとしたら、安倍さんは凄い、よくここまで押し返したと称賛されて、二島決着に国民が同意するような気がする。元々値段を上げておいて大幅値下げと宣伝して消費者を騙す、それとよく似た手口だが、加えて何となくの二島先行の雰囲気が醸し出せれば、国民は二島決着で満足してしまうのではないか。だからロシア側が二島を返す気なのであれば、日ロ交渉は纏まると思う。
 では二島を返してロシアが得る見返りは何なのであろうか。日本と平和条約を結んで、その縁でアメリカに接近することであろうか。アメリカの経済制裁を、日本のとりなしで、解除させようと狙っているのか。中国はいずれ沿海州の返還を求めてくるかもしれない、そう恐れて日米ロの連合を作りたいのか。確かにロシアはそんな思いを持っていようとは考えるが、二島返還したらその思いが確実に結ばれるとまでは考えていないだろう。数%の可能性と捉えていよう。だから二島を返還するロシアのメリットが浮かばない。
 もし日ロ会談が成功して二島の返還を見たら、ロシアに余程切迫した事情があったのだと想定できる。