『古舘伊知郎 Talking Blues 17th』の舞台裏

2020年04月14日 00時13分30秒 | エンタメのかけら
(その一部を『公式・古舘伊知郎トーキングブルースアーカイブス』で公開中)


11年ぶりの「トーキングブルース」

最初は2日やる、1日で2ステージやるといった案もあったが、
「一夜限りの復活」しかも「1ステージ」の方がカッコいい、
ということで、そうなったように記憶している。

公演日が決まり、打ち合わせを始めた当初は、
数年の間、『報道ステーション』一色だった古舘さんにとって、
僕たち作家陣やブレーンと会うのはいい息抜きにもなったようで、
穏やかな感じで進んだ。
たまには場所を変えてと、浅草近くの和風旅館の部屋を借り、
打ち合わせをしたこともあった。

だが、内容が固まっていくにつれ、緊張感は高まってきた。

決定的だったのは、本番の2週間ぐらい前だったか、
初めてやった通し稽古だった。
いざ、人前で立って通した時、
いろいろな問題点が見えてきた。

そこから内容の再考が始まった。
打ち合わせと稽古をするのは、『報道ステーション』の放送後。
反省会の後なので、いつも24時ぐらいからだった。

ラストの一週間はほぼ毎日やったはずだ。
作家はローテションで2日に1度だったが、
古舘さんは毎日。
『報道ステーション』の後、午前3時ぐらいまで稽古。
翌日は、午後の早い時間には局に入り…という繰り返し。

疲れが溜まっていくので、どうしてもミスが増える。
焦る。それがまたミスを呼ぶ。

劇場に入る前夜の通し稽古まで、
ミスなく出来たことは一度もなかったはずだ。
最後の通しは、特にミスが多かった。

こんな調子で大丈夫なのか?
正直、そう不安になった。

そして迎えた本番。

完璧だった。

稽古では何度もミスしたところも、見事クリアした。

終演後、
ステージから降りてきた古舘さんに、
僕たちが「完璧でしたね」と言うと、

「俺は本番には強いんだよ」


 
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