政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

民主党のジレンマ・逃げ水国会

2008-10-09 08:02:20 | 政治
昨日の日経平均952円安で雲行きがおかしくなってきた。
為替相場も1ドル100円割れの大幅ドル安。
経済・金融問題が政治に奇妙な影を落としだした。
麻生が、緊急事態だ、追加補正やさらなる経済政策が必要だ、と騒ぎ立てるのも仕方がないという状況になってしまった。
民主党にしても苦しいところだ。
解散総選挙を急がせたいが、あからさまにそれを叫びにくい。国の緊急事態に選挙、選挙と叫んでいてもいいものか?国民の反発があるのではないか?
しかし自民党にこのまま政権を預けたままでいいのか。
どうせ大した経済対策など打ち出せない。
ガソリン暫定税率一つ動かせない内閣では出来ることはたかが知れている。
原油相場も大幅に下がっている。ここで一気に暫定税率をなくせば、物価抑制、減税効果の一石二鳥。簡単かつ最大の景気刺激策になるのだが……。

日銀総裁は協調利下げに及び腰というより拒絶の会見をしていたが、よく意味の取れない不思議な日本語だった。もっともこの低金利では利下げ余地はほとんどなかろうが……。せっせと流動性供給には励んでいるが、効果はほとんど現れてこない。
しかしこの日銀の態度は問題ではなかろうか?昨日のアメリカほか10ケ国の協調利下げに加わらなかった日本銀行の姿勢が見えてこない。
白川・中川コンビで10日に開かれるG7で何かメッセージが発信できるのか、はなはだ心許ない。

白川日銀総裁記者会見の一問一答 (10/7)

 ──協調利下げの可能性があるのとの見方が浮上している。 

 「協調利下げ云々については、先ほど申し上げたことに尽きている。景気については、下振れ方向のリスクが高まっていると先ほど申し上げた通りだ。一方、もちろん上振れリスクもあるが、変化という意味では下振れリスクが高まっている。物価については、上振れリスクというものを意識しないといけないということも申し上げている。金融政策の効果波及のラグを考えてみると、現在の調節方針を維持するのが適当であるという判断であった。金融政策の協調という場合に、各国の経済物価の状況からすると、本来は望ましくないことを協調して行うということが協調という言葉のニュアンスだと思われるが、そういう意味での協調はむしろ望ましくないと思われる。たまたま各国が判断して、金利の変化の方向がそろったケース、それは協調という言葉で表現できるものではなく、そのような政策が適当と判断したということなので、あえて協調という形容詞を使う必要はないと思われる」

麻生内閣には経済の分かる人間がいないし、こいつらに経済対策など任せたら火事場泥棒を働きそうな奴ばかり。

参院本会議場で一緒にワンセグ視聴 2閣僚が議長に謝罪 (asahi.com 10/8)

たいしたことではないが、2閣僚というのがやや問題。
中川財務・金融大臣と与謝野経済財政担当大臣。
今回の臨時国会は麻生が緊急経済対策・補正予算成立を最優先課題とした国会。いわばその中心人物の二人ではないか。内閣の本気度が分かるわ!

補正予算の次は新テロ特措法、その次は消費者庁そして追加補正予算と、一つクリアすればまた一つと麻生は解散引き延ばし策を持ち出してくる。
だれかが”逃げ水国会”と言っていたが、まさにピッタリの表現だ。

ここは公明党にがんばって貰うしかないか。
”ぐずぐずしていると矢野前公明党委員長を国会に呼ぶぞ”と脅かして、公明党から解散をせっつかさせる。
公明党が一番恐れているのは、池田大作に傷をつけることだ。それを避けるためにはどんなことでも聞き入れる。

野党、「政教分離」で公明に圧力 「矢野氏招致」へ準備 (asahi.com 10/8)

民主党としては当を得た戦術だ。しっかり進めるように。
自民党は解散先送りと総選挙対策の両面作戦。

政策減税を柱に追加経済対策 自民、総選挙向け検討着手 (asahi.com 10/8)
(抜粋)
所得税と個人住民税の「定額減税」は8月の経済対策に続き、年度内実施を改めて盛り込む。ただ、規模や実施方式は自公両党間で隔たりがあるため書き込まず、年末の税制改正論議に先送りする。


規模や方式は書き込まない?
公明党の顔を立てただけ!
当然、財源も示せない。
国民には匂いだけでもかがせてやろうってか!


どうにもまとまりのない文章になってしまった。
ジレンマはわたしにも及んでいる。



暫定税率廃止!天下り禁止!議員世襲禁止!


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