政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

麻生内閣・現実と非現実の間で

2008-11-01 21:25:46 | 麻生太郎
麻生がマンガ好きとは聞いてはいたが、女房役の官房長官までとは!
麻生は時代の感覚をマンガから得ている、というようなことを自分で言っていた。
河村官房長官もそうだとすると、この内閣はマンガという非現実の上に築かれた仮想内閣ということになる。

増税発言は「麻生太郎の議」 官房長官、漫画引き合いに (asahi.com 10/31)

「まさに麻生太郎の議ではないか」。河村官房長官は31日の記者会見で、麻生首相が新総合経済対策を発表した際に消費税の引き上げに言及したことについて、首相の心境を政治漫画「加治隆介の議」の主人公と重ね合わせてこう代弁した。「国民に申し上げなくてはいけないことはきちっと申し上げながら政権運営をしていくんだという決意の表れだ」

 漫画は弘兼憲史さんの原作で、理想を追い求める政治家・加治が首相にのぼり詰めるまでを描いた作品で、漫画好きで知られる首相の愛読書の一つ。河村氏は「未来を考え、国民にきちっと説明をしたことは評価されるべきだ」と述べた。


わたしもマンガ好きだから、マンガを読むことにケチをつけるつもりはない。
しかし、総理大臣の時代感覚がマンガによって養われたものというのでは笑い事ではないだろう。

マンガは現実を無視して成立するものではない。
マンガが説得力を持ち、読む者に共感を覚えさせるためには優れた現実認識が必要である。
しかし、マンガがマンガたる所以は、それがいかに現実から離れられるかという点にある。現実を忠実に再現したマンガなど面白くも何ともない。
現実と非現実の融合、それがマンガである。

麻生という人間を庶民の側から見てみると、これはもう非現実の典型であろう。
大政治家の血を引いて、大金持ちの家に生まれ、若くして親の会社を継ぎ、数年で政界に転身。やがて総理大臣の椅子につく。
こんな人物にはマンガの中でさえリアリティが感じられないだろう。
しかし、それが麻生なのである。
庶民の非現実が麻生の生きている現実なのである。
そして庶民の現実は麻生の非現実なのである。
麻生にはマンガの非現実的な世界こそ現実世界なのである。


そう言えば鳩山邦夫総務相も法務大臣の時、裁判員制度の宣伝のためになにやらアホな着ぐるみをきていたな。
仮想内閣+仮装内閣か!

火葬内閣にしてやろうか!



暫定税率廃止!天下り禁止!議員世襲禁止!


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