政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

自民党の風景

2008-07-06 20:09:55 | 自民党
温暖化対策で指導力を 安倍氏、首相に (産経ニュース 7/6)

あんたにだけは言われたくない!
と、福田は思ってる。
いまさらそんなことをいえる立場か!
と、国民は思ってる。


首相のリーダーシップ、民主・鳩山幹事長「憂慮している」 (OMIURI ONLINE 7/5)

野党も心配している。こんなにみんなから心配して貰える福田は幸せ者だ。

ところで話は変わるが、


行政「無駄ゼロ」政府・与党が熱 消費増税は対立激化 (NIKKEI NET 7/5)

世論に火がつく前に、枝葉のちっちゃな無駄排除で本丸を残そうと政官の悪巧み。
公益法人の支出をちまちまと切りつめて、世論を鎮めておいて消費税増税へ。
本丸というのはもちろん天下り。
どういうわけか福田は官僚には優しい。


首相は同日の閣議後の閣僚懇談会で、無駄遣い排除のための有識者会議の月内設置を表明。

例によって政府に優しい御用学者・御用評論家・御用財界人達を利用して都合のいい答申や報告を出させて国民をだましにかける。
こんな見え透いた手が通用してしまう現実が悲しい。


天下り禁止や道路財源改革、民主が臨時国会に法案提出へ (NIKKEI NET 7/6)

天下りの弊害は、天下り役人の人件費だけではないのだ。人件費だけでも多分膨大な金額にのぼると思うが……。
ほとんどの公益法人は、しなくてもいい仕事のために存続している。仕事そのものが無駄なのである。役人は自分の天下りのために国民にとって不必要な組織を守っているのだ。天下り出来ないとなれば、役人が公益法人を守る意味がなくなる。金も回さなくなる。自然に消滅していくことになるだろう。
無駄ゼロは天下り禁止から!


公益法人:改善ないと「解散勧告」 政府、審査で締め出し  (毎日jp 7/6)

改善しないと解散!と脅かされてもどうって事はない。どうせ所管の省庁や自民党が守ってくれる。たとえ万が一解散に追い込まれたとしても最低限自分たちの雇用と予算はどこかに移されるだけと多寡をくくっている。

内閣府幹部は「補助金などの財政支出という『蛇口』を閉めれば、存続できなくなる法人は多い」と指摘している。

分かっているやつもいるが、蛇口は閉められない。蛇口を閉められないのは天下りがいるから。蛇口を閉めるやつと閉められる奴が同じ穴のムジナ。

自民党:埋蔵金など活用で財源、最大50兆円可能 町村派が政策提言--中川秀氏主導

こちらはまた景気のいい話!こういう脳天気な話もたまにはいい。
もっとも中身は全くの絵空事というわけではない。


09年度は、為替介入用の資金を管理する「外国為替資金特別会計」など3特会の翌年度繰越金(計5・3兆円)の活用や、一般財源化する方針の道路予算の圧縮で10兆円以上の財源が生まれるとしている。与野党の合意を目指す3年間に実施する内容には、「小泉改革による配当を国民に還元する」として、「日本郵政」の株式売却(額面5兆円)などを盛り込んだ。

が、さほど感心するほどの提案でもない。
道路予算の圧縮などそう簡単にはいくまいし、この弱い株式市場で五兆円の株式売り出しが可能かどうかは疑問符のつくところ。NTT、JT、JRの株もまだ処分し切れていないんじゃないか?


今後の税制改正論議で、与謝野馨前官房長官ら「増税派」の動きを抑え込む狙いがある。

どこまで本気なのか分からないが、議論は大いに結構。嘘から出た誠、瓢箪から駒ということもある。



今からでも暫定税率廃止!                                           

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公務員制度改革、さらに後退?

2008-07-06 11:55:19 | 福田康夫
公務員改革推進本部事務局長に立花氏  町村、渡辺氏対立激化  (産経ニュース 7/5)

政府は4日、国家公務員制度改革の制度設計を担う「国家公務員制度改革推進本部」(本部長・福田康夫首相)の事務局長に立花宏日本経団連参与(64)を充てると発表した。


また意外なところから引っ張ってきたものだ。
これでは、政官財のトライアングルの構造を絵に描いたようなもの。経団連と言えば自民党の最大スポンサーである。
今時、信じられない感覚だ。


結局公務員改革にも後ろ向き 福田総理 6月28日投稿もどうぞ)

先の人事案つまり清家篤慶大教授の起用がつぶれた裏には紆余曲折があったようだ。

公務員制度改革関連法案策定段階で対立した町村信孝官房長官と渡辺喜美行政改革担当相が事務局長人事をめぐっても激突し、当初検討されていた大学教授が固辞する事態に発展した。平静を装う福田康夫首相だが、政権運営に新たな不安の種を抱えることになった。

法案はやむを得ず通してしまったが、それなら、とよってたかって骨抜きに掛かっている連中がいる。筆頭が町村官房長官らしい。そしてそれを黙って見逃しているのが福田内閣総理大臣というわけだ。というより後押ししているといった方がよさそうだ。

首相は「公募は人事権をハイジャックされるようなものだ」として、6月中旬に渡辺氏に電話で「自ら民間人を選ぶ」との方針を説明の上、「渡辺氏のお薦めの人物がいれば伝えてほしい」と求めた。同月24日に2人が会談したが、渡辺氏は「アイデアを持参しなかった」(首相周辺)という。

そんなわけで福田の意中の人物が清家篤慶大教授だつたらしい。

渡辺氏はこれまで、事務局長が「霞が関」寄りの人物だと制度が骨抜きになりかねないとして改革に意欲的な人を選ぶ「公募」を主張、町村氏は「首相が選ぶことだ」と反発していた。

 町村氏側は、同日の会談時に首相が清家篤慶大教授(54)を事務局長に起用したいとの意向を伝えたが、渡辺氏は清家氏を「霞が関寄りだ」と難色を示し、そこから人事情報が広がったとしている。


渡辺が難色を示したのも当然だ。この清家篤という人物

(審議会委員等)
産業構造審議会臨時委員(通商産業省)
国民生活審議会臨時委員(内閣)
住宅・宅地審議会専門委員(建設省)
人口問題審議会専門委員(厚生省)
中央児童福祉審議会臨時委員(厚生省)
経済審議会臨時委員(内閣)
経済審議会特別委員(内閣)
人口問題審議会委員(厚生省)
統計審議会専門委員(総務庁)
中央社会福祉審議会臨時委員(厚生省)
産業人材教育研究会座長(通商産業省)
社会保障構造の在り方について考える有識者会議委員(内閣)
雇用における年齢差別禁止に関する研究会座長(経済企画庁)
長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議委員(労働省)
統計審議会専門委員(総務省)、
高齢社会対策の推進の基本的あり方に関する有識者会議座長(内閣府)
年齢にかかわり無く働ける社会にする有識者会議委員(厚生労働省)
社会保障審議会委員(厚生労働省)、総合規制改革会議委員(内閣府)
未来生活懇談会座長(内閣府)
年金と雇用に関する研究会委員(厚生労働省)
東京地方労働審議会会長(東京労働局)
高齢社会対策の総合的な推進のための政策研究会座長(内閣府)
日本銀行金融研究所顧問
東京都雇用・就業対策審議会会長(東京都)
国民生活審議会委員(内閣府)
(2003年現在)


政府がきわめて便利使いしているのが一目瞭然。
福田としては一応は民間人という言い訳にはなるというだけの人選である。

「渡辺氏と一緒に(仕事は)できない…」-。親しい学識経験者らにこう漏らした清家氏は就任を固辞し、事務局長人事は白紙となった。

この清家という人物に嫌われた渡辺は”もって瞑すべし”
一応渡辺は本気だったということを物語っているのかも知れない。

大体が、さほどの改革でもない今回の法案さえも骨抜きにしようという政と官に、財まで加わった今度の人事。
開いた口がふさがらん!

天下り禁止を盛り込んでいないこの法案に対してすらこの抵抗。

しかし、天下りを禁止しない限りこの国の行政の無駄はなくならない。
天下り禁止さえ決めれば、官僚が独立行政法人や公益法人を守る意味がなくなる。自分たちの天下り先だと思うから必死に守る。天下りできないと分かれば、そんなところに金をばらまかなくなるはずだ。


まあ、こんな改革でもやらないよりはましだろう。しっかり成り行きをみていてやろう。

次は天下り禁止だ!


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