今日のロシア株式市場のRTS指数は、午後の相場でさらに下げ、前日比13パーセント以上の下げとなっている。この下げ幅は、ブラックマンデーの日経の下げ幅と同じであり、大暴落と言っていい。これは言うまでもなく、欧米のロシア投資の引き上げである。すぐに全面戦争ということはなくても、紛争の相手国への投資などはとんでもないリスクであり、とりあえず逃げておくというのが普通の考えだろう。当然ルーブルも大きく下げている。
この動きは一過性のものではあるまい。なぜなら、今後、ロシア軍が西部ウクライナへの侵攻を開始するようなことがあれば、さらに事態は悪化するからである。たとえすぐにNATO軍が動かなくても、西部のウクライナ暫定政権から今よりも強いHELPが出た場合、欧米はきわめて厳しい政治的決断を迫られる。そのような局面では、投資の引き上げは、東欧、そしてトルコへも及ぶと考えられる。
しばらくは、これは大丈夫というような報道が出ても安心することはなく、中期の下向き相場を想定していたい。ドル円の戻り売りでOKの相場ではないか。テクニカル的には95円あるいは90円くらいまでは下げてもおかしくないチャートであり、だとすると、テクニカルのポイントのところでファンダメンタルの事象が起きるという過去の通例によれば、ウクライナはまだ簡単には片づかないだろう。
| Trackback ( )
|