予想されたより早くバーナンキがQE3の可能性について示唆したようだ。
事情はすでに先日のエントリーで述べた通り。これによってドル売りとなったが、当然だ。ひとつにはリスクオン相場の予測であり、株価は上昇が期待される。もうひとつはさらなるドルの減価への懸念である。欧州がダメなら、米国もダメで、円がまさに文字通り消去法的に買われる構図だ。その他でダントツに強いのがスイスフランと金(ゴールド)という絵に描いたような流れとなっている。
ということで、もしQE3が行われる、あるいはそれに近いことがあり得るというのは、まったくの予想外で、ドルが大きく減価するというリスクを冒したものと言える。また、さらなる債券の市中からの買い入れは、(直接は関係ないものの)債務をこれから減らさなくてはならないという政府の方針とは相反する。そちらの面からもドルの売り材料だ。ムーディーズが米国債格下げ方向での検討を始めたという報道ももちろんドルの売り材料となる。
ドル円は通常なら昨日のエントリーに書いたように、ここからリスクオンとなって反発することが予想されるところだが、慎重にトレードするなら、ロングはクロス円だけにしておくのが無難だ。前から予測しているように、ドルが本格的におかしくなる場合には、(クロス円の停滞あるいは上昇と)ドル円の独歩安が来る場合があり得るのであり、ここは慎重にかまえていきたい。自分は95円台でまたもやスイス円の押し目買いとしたが、現状ではうまく行っている。これは前から書いているのでここでは細部は省略したい。
以上、昨日のドル円の見通しを、この報道によって修正しておく。今年後半の相場では、今日のように、「円安」だが、ドル円が下落する、ということが頻繁に起こると思っている。ここからは、徹底的に、金買い、フラン買い、そして、機敏に(対ドルでの)円買いで対処していきたい。ただ、当面のテクニカル的な反対への動きはあるだろうから、いずれも押し目を待ちたい。
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