中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

広告の裏

2013-11-21 22:19:23 | 雑記
 最近、山形市に大手の塾が進出してきたらしく、家のポストにもよく、チラシやらダイレクトメールを見かけます。「無料体験講習受付中」「今なら入会金無料!」などなど・・・。講師が熱を込めて授業をしている写真がバックになっています。どの先生も若い・・・懐かしくて思わず見入ってしまいます。

 
 私が塾の講師をしていた頃も、このような宣伝チラシの写真を撮られたものです。
「今回は若手中心で行くらしいからよろしく」と上司の講師から言われて、入社1~2年目の社員が、本校の大教室に集められ、撮影をします。


 実際の授業中の写真はほとんど使いません。チラシ的に良いポーズや表情が必要ですから、生徒が来る前の午前中なんかにプロのカメラマンを呼んできちんと撮るのです。

 「はい、まず○○先生から」
指名されると黒板の前に行って、自分が得意な単元の授業で使う板書をします。チョークの色分けは、いつもよりちょっとハデ目にして、図示を多めで。インパクトが大事ですから。

 その後、生徒の席に座って順番を待っている、他の講師連中相手に、しばらく世間話をするのです。
「この間、財布を落としまして・・・多分飲み屋の帰りだと思うんですけど、カードやら免許証やら全部入ってたもんで手続きがたいへんで・・・」
「先週の日曜日にパチンコ行ったら、なんとお座り一発!ほら今よくある一発台で玉がここから飛び込んだら、真ん中の皿でクルクル回ってそのあと手前のV穴に落ちるとフィーバー。一気にこんなに出ちゃって・・・」

 こういう適当な話をしばらくやる。チョークやテキストを片手に、身振り手振りを大げさに交えて表情ゆたかに。その間にカメラマンが動き回りながら撮影するわけです。OKが出たら終了。不真面目に聞こえるかも知れませんが、こうして少しふざけた方が、良い表情になるのです。見た人が「楽しそうな授業なんだろうな」という印象を持てばそれにこしたことはないので。・・・宣伝とはそういうものです。


 初めて新聞に織り込まれた、自分の写真が載ったチラシを、記念に保存してあります。この間久しぶりに出して眺めてみました。「講師陣が自慢です!無料講習会受付開始!」・・・宣伝文句は昔も今も変わらない。違うのは私が若いことか・・・恥ずかしくて、すぐにしまいました。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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なるほど。 (narkejp)
2013-11-24 07:49:58
講師の皆さんの笑顔のウラには、そういうカラクリがあったのですね(^o^)/
>こうして少しふざけた方が、良い表情になるのです。
なるほど~!
>narkejpさん (中爺)
2013-11-25 22:33:39
 ありがとうございます。 

実際の授業では「…この間も言ったのに、どうしてコイツはわからないんだろう」とウンザリした表情になることも少なくないのです。イメージと現実は違うのです。金八先生みたいにはいきません。 

 どんな広告にも「裏」があるものですね。

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