中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

作品を残す

2013-01-08 22:41:39 | 山形弦楽四重奏団
 やはり新聞の力は大きいですね。「新聞見たよ」と声をかけられます。中には、わざわざその記事が出ている面をくれたりする人もいます。

「除雪中の女性転落死」・・・なんと痛ましい。雪国の冬は至る所に危険がありますね・・・

・・・ではなくて、山形Qの記事です。年末の練習の時に、山形新聞の記者さんが取材に来てくれた模様が、三面記事の横に掲載されていたのです。

 内容はもちろん、1月14日の定期演奏会のご案内でもあるのですが、それよりもプログラムでとりあげる、紺野陽吉についてです。邦人作品、それも山形の作曲家をたびたび取り上げている我々の活動を評価してくれている記事は、嬉しいものです。

   


 その取材でも話したことですが、やはり作品は演奏されないと残らない。楽譜だけが残っていても、絵のようにはそのまま鑑賞することができないからです。つまり「保存する」だけでは意味がない。演奏家が「伝える」ということが不可欠なのが音楽です。

 
 このことは以前からもちろん、頭ではわかっていましたが、最近、心から実感しています。

 年末、実家にいるときに、ある歌手の方から電話を頂きました。以前何かの演奏会で、私の母が作曲した歌曲を聴いて感動し、それを是非、自分もいつかリサイタルで取り上げたいと。しかし、出版されたものではないので、楽譜が手に入らない。どうにかならないものか。

 痛み止めの副作用のせいもあって、朦朧としている母に尋ねても楽譜の所在がわからない。

 ・・・膨大な自筆原譜の中を必死に探しましたね。だって、ここでまたその歌手が演奏してくれれば、その歌曲はまた命を与えられて、それを耳にした人の中にも残るわけですから。逆にここで見つけられなければ、もしかしたら、その曲の存在すら、無いも同然になってしまいます。誰にも知られないただの紙屑・・・。

 珍しく根性を見せて、ようやく探しあてました。すぐにコピーして郵送。・・・どこかで生き続けてくれますように。

 以前、山形Qで取り上げた、故佐藤敏直氏の夫人が我々に楽譜を送って下さった時も、こういう気持ちだったのかな・・・などと。


 新聞記事を見て、紺野陽吉目当てで聴きに来て下さるお客様も、少なからずいるようです。心をこめて演奏したいと思います。

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