中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

大吟醸「絹」

2013-06-18 22:55:03 | お酒の話し(山形県)
 皮をはがれた因幡の白うさぎが、元通りになるためにくるまって休むのは、「がまの穂」でしたっけ。柔らかい綿毛のようなものだったように思います。きれいな湧き水で体を洗ってから、その綿毛にくるまって風通しの良いところでゆっくり休む・・・絵本でこれを読んだ時、すごく惹かれました。これは確かに気持ちが良いに違いない。是非やってみたい。

 清涼感と柔らかさ・・・「癒し」の基本でしょう。


 ということで、山形は大蔵村が誇る高級酒「絹」です。もちろん戴きもの。山田錦を35%まで磨き込んだ大吟醸。言わずと知れた贅沢品です。

 まさに「絹」のような舌触り(・・・もちろん絹糸をなめたことはありませんが)。そして澄み切った味。何かを主張してくるようなところがなく、とにかく柔らかい。何杯飲んでも、スッと消えていきます。心地よい夢のように、ほのかな余韻だけが残り・・・

 そして・・・あっと言う間に、ひと瓶消えた。雲散霧消。まさに春の夜の夢の如し。

 
 絹の「穂」にくるまったようなひとときを堪能しました。これで「心の毛」(心臓の毛ではない)も、元通りに生えそろうことでしょう。
コメント (2)
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