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源義経黄金伝説■第8回

2019年01月08日 | 源義経黄金伝説

源義経黄金伝説■第8回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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弁慶は鬼一から 牛若の氏素性を話され、守り役に徹すると決めた。

 

牛若がいう。

「弁慶、私の味方になりたいのかどうだ?返答はいかがか」

「いや、それはもう、、」

悪僧、弁慶の答えは微妙である。

 

「先刻の五条の橋で暴言をはかなったか。いや、で、ものは相談。お主が味

方かどうか、こころたい。私のゆうことを聞いてくれるかな」

「それは、もう」

 

「弁慶、俺は奥州へ行くにあたって、鞍馬から土産を持って行きたいのよ」

 

「若、一体、何を。いたずらはもう、いい加減になされませ」

 弁慶は牛若を若と読んでいる、この男なりの諧謔である。

 

「いたずらではない。俺が源氏の生まれで在る事を証明したいのだ。私はな、鞍馬に伝わる太刀を持って行こうと思うのだ。そうすれば、あの奥州

の者共、俺の力にびっくりするぞ。いや、敬服する!」

 

牛若はもう心を決めている。

あの埒外の地にいき、自分の存在を示す、いわば旗をあげるには それに限るのだ。

 

「まさか、若様。あれを…」

 

 弁慶は冷や汗を流している。

 

「そうなのだ。私が欲しいのは鞍馬宝物の坂上田村磨呂の太刀なのだ」

 坂上田村磨呂、最初の征夷大将軍である。

 

東北人との争いで、始めて大和朝廷の力に屈せしめた大将軍である。

 

その太刀が、この鞍馬の秘刀として、鞍馬に保存されているのである。

 

 

しばらくして鞍馬山の火祭りの夜のことである。

 

「誰か、火が。火が宝殿から出ておるぞ」

 

 凄まじい叫び声が、鞍馬山から木霊している。漆黒の闇の中、炎が宝殿をなめ尽くそうとしていた。

「早く、早く、中の仏典、宝物を、、、」

 

僧坊の僧たちがてんでに、宝物を持ち、宝殿から助け出そうとしている。そ

の中に無論、牛若と弁慶も混じっている。

 

「若、これは、、泥棒ではないか」

 

「いや、何、火を持ってする戦法だ」

牛若の顔が笑っているように弁慶には見える。

 

 疾風のように、二人は京都の奥州の大使館にあたる平泉第まで駆け抜け

ている。

 

その場所には猪首の巨漢が体を振るわして待っていた。

「さあて、吉次、準備は調うたぞ。出発いたそう」

 

牛若が鋸やかに言う。うやうやしく吉次は答える。

「わかり申した。ふふ、牛若さまの本当の旅立ちでございますな」

 金売り吉次はこのとき三十才。若い盛りであった。

 

 吉次は、奥州の金を京都の平家に届けている。

 清盛はその金を宋に輸出し、宋の銭を得ていた。

 

日本の貿易に 宋銭を利用し、お金というものの革命を起こそうとしている、

 

その一翼を吉次がになう。奥州と平家はこのように結び合って

いた。

 

続く2016改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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