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夢王たちの宴■第25回■ゴルゴダシティの宮殿舞台で、ジェイ・ポラードはビブラフォーンになったアイラと意識が同調した。そして過去のドラッグウォーの記憶が。

2020年04月25日 | 夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー
YK夢王たちの饗宴--ドラッグウォーの跡でー(麻薬戦争の跡)夢世界の入り組んだ異世界、最高のドリームマスター夢王は、だれなのか? なぜ、この世界はできたのか?
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夢王たちの宴■第25回■ゴルゴダシティの宮殿舞台で、ジェイ・ポラードはビブラフォーンになったアイラと意識が同調した。そして過去のドラッグウォーの記憶が。
 

夢王たちの宴ードラッグ戦争の痕でー■第25回■

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

■第25回■

 

 舞台の上では、ジェイと「ビブラフォーン」ことアイラの演奏は{ハルフ

ォードの稲妻}の最終楽章にはいっていた。

 

観客はすべて感覚の世界に没入していた。

 

「気づいただろう、君と仏以外の人間はすへて恍惚状態にはいって

 

る。すなわち我々の竟識のみが実在する、いや実在していた人間の

 

それなのだ」

 

実在世界の名前は「スプローギン大佐」ある導師デルガは、道化師マリクに言う。

 

道化師マリクの実在世界の名前は「ドクター・シュッカ」である。

 

 

 この時、すでにジェイ・ポラードはビブラフォーン・アイラとの意識が同調し、

 

一つの共生意識になっていた。

 

「ジェイ、私がわかるわね」

 

「そう、払は、今になってやっとわかった。許しておくれ、アイラ」

 

「私達はやっと一つになったわ」

 

「そうだ。そして我々は、我々だけの世界を作れる」

 

「いけないわ、ジェイ、この曲を聴く人々たちにも喜びをあたえてあげて」

 

「何だって、どうするんだ」

 

「ジェイP359をすべての人々に与えるのよ。

 

そうすれば、各々の人々が、自分自身の夢世界を持てるのよ」

 

 ジェイは、実世界の過去を、思い出し始めていた。、、、

 

 

 

ポーランド、ワルシャワ大学。

 

研究室のドアを荒々しく開け、二人の制服の男がはいってくるのが、ジェイの目に映った。

 

制服から見ると、国家安全局の人間らしい。ベルトには銃が装着されている。

 

「ジェイ=ポラードだね」

 

背の高い方の男が言った。片ほほがビクビク動いている。

 

 「そうです。私がジェイ=ボラードです。あなた方はすぐさまこの研究室

 

からでていっていただきたい。私はソネ将軍から全権を委任されている」

 

男はにやりと冷笑し、冷たく言った。

 

 

「その、君のいう、ご本人ソネ将軍からの命令だ」

 

もう一人の細面の男がいう。

 

二人は、同時にボラードの両わきを押さえた。

 

「ジェイボラード、君を、わが国家に対する反逆罪で逮捕する」

 

「逮捕だと?わが国家に対する反逆罪だと?何かの間違い、、ではないのか」

 

「それは、お前、白身の胸に聞いてみることだな」

 

「まさか、「プロジェクト・JP359」の件ではないだろうな」

 

「そうだ。ご名答だ。その「プロジェクト・JP359」の件だ」

 

「プロジェクト・JP359」は、人間を助ける計画でありながら、反面、全世界を破滅させかねない

 

特殊な麻薬医薬生産計画だった。

 

 ワルシャワ大学科学部の研究者ジェイ・ボラード博士は、世界が足もとから崩れるような気がした。

 

(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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