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ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品)第1回「水球爆弾」という隕石群が地球に降り注ぎ、 地球の文明を根こそぎ大なたで打ち払ってしまった。

2020年06月17日 | ガーディアンルポ03「洪水」
KZガーディアンルポ03「洪水」廃墟で、人類最後の生存者カインは地球滅亡を迎え。彼は生命形態を変え自分から精強なる生物兵器に変貌、地球を再生し敵へ復讐を硬く誓う
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ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品)第1回「水球爆弾」という隕石群が地球に降り注ぎ、 地球の文明を根こそぎ大なたで打ち払ってしまった。
 

ガーディアンルポ03「洪水」■第1回■(1979年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

 

1979年作品です。色々お許し下さい。

 

■第1回■

 

見渡す限り波だ。

 

水の壁は情容赦なく僕カインの方へ襲いかかってくる。

 

その激流の中で、僕の足はもう焼けただれた建物の屋上には届いていなかった。

 

放射線で焼けただれた町。

 

それでも僕には長く棲んでいて愛着があった。

 

その廃墟が海に犯されていくのを、僕はなすすべもなくただ見ているしかなかった。

 

海、すなわち大洪水だった。

 

波は、伺度となく押し寄せてきて、廃墟を踪順した。

 

なじみのある暗い町並は、二度と僕の目の前に現われることは、、ないだろう。

 

服と呼べるだろうか。

 

そのうす汚れた切れっぱしは、僕の体にまとわりつき、かかげて身勤きは緩慢にたってくる。

 

水は僕の息をとぎれきせ、言うにいわれぬ悲しみは僕の体をしびれさせていった。

 

彼女アニー。

 

さっきまで、、ここに。やっと海面に顔が出る。まわりを見渡す。

 

いる。何100メートル、離れているだろう。

 

波間に見え隠れする。

 

彼女も海にもて遊ばれている。

 

僕は叫ぶこともできがたい。それはどの気力も残ってはいないのだ。

 

打ちこわされた伺かの物体が大きな音をたてて迫り、アニーに当った。

 

彼は泥水の中に消えていく。

 

「アニー、、、アニー、、」

 

僕は叫ぶ。

 

が、、

何てことだ。運命を呪う。地球の運命も。

 

僕は、無意識の内に、浮かんでいる木片にしがみついた。

 

すさましい勢いの雨は、人間の希望をすべて押し流すように降り続き、

 

その暴風雨の祚はまるで銃声のように僕の耳には聞己えていた。

 

そう、人類を完璧に打ち倒す銃声の様に。

 

ショックとそれに伴う疲労のために、僕は意識を失いそうになる。

 

夢、それも悪夢を見ているようなのだ。

 

僕は夢うつつ考える。

 

僕とアニーは、なぜ、あの異星人が地球に打ち込んで

 

きた「水球爆弾」の熱射から肋かったのだろう。

 

「水球爆弾」という隕石群は地球のあらゆる場所に降り注ぎ、

 

地球の文明を、根こそぎ大なたで打ち払ってしまったのだ。

 

僕、カインはまどろみ始める。

 

(続く)

ガーディアンルポ03「洪水」(1979年作品2017年改訂)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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