山脇内科小児科医院

医療・医学情報

洗顔と洗髪

2009-06-09 18:38:26 | Weblog
中高年になると気になってくる顔の脂。光るおでこや鼻の頭はどうしても目立つ。40歳を超えると、皮膚の表面を覆う角層が厚くなり、水分が減る。顔がギラついた感じになるのは、水分と皮脂のバランスが、皮脂に傾くため。また、多すぎる皮脂は、カビや細菌繁殖の要因となる。眉間や小鼻のわきの皮膚が赤くなり、表面がかさかさしていたら、カビや細菌の刺激による脂漏性皮膚炎の心配がある。健康な肌を保つには、汚れや古い皮脂をぬぐい去り、顔を清潔に保つのが大事。皮膚を守る角層を傷つけない洗顔は泡洗浄。きめ細かいせっけんの泡を塗り、泡を転がすように洗う。泡で洗うと汚れ落ちがよく、肌への刺激が少ない。すすぎも簡単で、せっけんの成分が肌に残りにくい。手のひらで十分に泡立てられないようなら、洗面器を使う。うまく泡立つと、ホイップクリームのようになる。ペースト状の洗顔せっけんでも、固形の化粧せっけんでも、好みに応じて選んでいい。脂漏性皮膚炎は、頭皮に現れることもある。予防は、こまめな洗髪。シャンプーをつけた指先を頭髪の中に入れ、頭皮を洗うつもりでマッサージする。少量のシャンプーで、2度洗いすると刺激が少ない。

男のスキンケア

2009-06-08 18:37:27 | Weblog
ひげそりで、毛穴に小さな傷がつくと、細菌が入り込んで、炎症を起こし、赤く腫れる心配がある。ひげそり後の傷をむき出しにしないように、保湿製剤を塗っておくといい。保湿製剤には、水分が多いローション、油成分が多い乳液・クリームなどがある。空気も乾燥している冬場は乳液、さっぱりしたい夏はローションという風に、好みに応じて選べばいい。週末などはひげをそらず、皮膚に余計な傷をつけないようにして、回復のための時間をとることも大切。このほか、男性も注意したいのは、日焼け。男性でも、顔に大きなシミができると年齢以上に老けて見える。ゴルフなどの野外レジャーの時には、日焼け止めを使おう。最後は、生活改善のススメ。精神的なストレスは、皮脂の分泌を活発にするため、皮膚炎を悪化させる心配がある。鏡を見て、肌荒れが気になったら、ストレスにうまく対処できているか、お酒の飲み過ぎではないか、寝不足ではないか、と生活を見直すこと。健康的な生活が肌の手入れの基本だ。

ニコチン補充療法

2009-06-06 14:01:51 | Weblog
ニコチン補充療法は、禁煙したくない、できそうもないと考えている人にも、有効かつ安全に禁煙できる方法だということが、英国バーミンガム大学が行った解析の結果でわかった。解析の主要評価項目は、介入開始から6ヵ月時点での禁煙状況。また、追跡終了時点での禁煙状況もしくは減煙状況、および有害事象についても評価された。被験者総計2,767例が、6~18ヵ月にわたり介入が行われ、12~26ヵ月間追跡されていた。6ヵ月間禁煙できていた人は、ニコチン置換療法群は6.75%で、プラセボ群3.28%の約2倍の達成率だった。また追跡終了時点で、禁煙できていた人は、ニコチン置換療法群は1.6%、プラセボ群は0.4%。減煙できていた人は、ニコチン置換療法群は21.8%、プラセボ群は16.5%。すべての評価項目で、ニコチン置換療法の有効性が認められた。有害事象に関しては、死亡、重篤な有害事象、有害事象による介入中断について有意差はなかったが、悪心がニコチン置換療法群で有意に多かった。これらの結果から、ニコチン置換療法は効果的な介入であると結論された。

新型インフルエンザの環境整備

2009-06-05 19:03:55 | Weblog
患者発生後の施設における環境整備

☆くしゃみや咳をした時に出る飛沫を吸い込んで感染する「飛沫感染」が中心と考えられている。

☆飛沫が付着した物に触れた手で口や鼻などを触って感染する接触感染的な要素も、本疾患の伝播に多少は関与している。

☆従って、飛沫が付着した直後は、次亜塩素酸ナトリウムや消毒用エタノールで清拭することが感染予防として有効。

☆インフルエンザウイルスの環境中における生存期間は2~8時間程度。

☆感染のあると思われたものがそこから離れて半日以上経過した後には、特別な環境整備を行う必要はない。

社員食堂

2009-06-03 13:50:16 | Weblog
生活習慣病対策もあり、企業の社員食堂の多くが、栄養成分表示をするようになった。献立表などをチェックすれば、エネルギー量やたんぱく質、脂質の量などが詳しくわかる。ある企業3社の協力で社員食堂の調査を行った結果、肉料理を取りすぎている人が圧倒的に多いことがわかった。また、自由におかずを選べるカフェテリア形式の場合、個人の好みに偏りがち。社員食堂を上手に活用する五つのコツは、

(1)定食スタイルを基本に、ご飯と主菜のほかに、小鉢や汁物も取るよう心がけると、ビタミンやミネラル分も確保できる。丼物のときにも小鉢を取る。
(2)小鉢の中身を考える。ホウレンソウのおひたしやサトイモの煮物など、野菜やイモ、キノコのおかずなら、副菜として栄養バランスを取るのに役立つ。ところが、小鉢には卵焼きや納豆、豆腐、シューマイもある。これらは主菜と同じたんぱく質源。ランチでたんぱく質源を重ねて取ったら、夕食は野菜中心にするなど工夫が必要。
(3)同じ調理法の料理を続けない。今日の主菜が揚げ物だったら、あすは煮物、その次はいため物にする。
(4)主菜の量を減らす。ヘルシーメニューといった肉などの量を少なめにした料理もある。
(5)家で作らない料理を社員食堂で取るようにする。一人暮らしや単身赴任の男性の中には、家であまり料理しない人もいる。煮物やおひたしなどを積極的に取るようにする。

メタボより高血圧

2009-06-02 16:27:40 | Weblog
脳卒中や心筋梗塞など循環器疾患の予防には、肥満に重点を置いたメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策よりも高血圧対策が重要であることが、厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。国のメタボ検診では、メタボに当てはまらないが高血圧で発症リスクの高い人を、見逃す恐れがあるという。研究班は、全国の40-69歳の男女約2万3000人を平均約11年間にわたり調査。その間に693人が循環器疾患を発症した。もし全員の血圧を正常にした場合、男性で48%、女性で45%の心筋梗塞や脳梗塞を減らせると推計された。一方、メタボを解消しても男性で12%、女性で8%の改善効果しかないと考えられるという。国のメタボ基準は肥満だけが必須条件で、高血圧の人でも、高血糖や脂質異常がないと「メタボ」とならない。日本人は欧米人に比べ肥満者の割合が小さい。肥満ばかりに目を向けず、高血圧対策を優先する必要がありそう。

六食弁当

2009-06-01 17:57:54 | Weblog
栄養バランスのよい弁当を作るこつは、カラフルな弁当になるように詰めていくこと。自然とバランスがとれる。弁当作りはおかずから考えることが多い。鶏肉の空揚げ、豚肉のショウガ焼き、冷凍食品のミニハンバーグなど、つい、肉の割合が高くなりがち。エネルギーの取りすぎになるばかりでなく、味も単調になってしまう。弁当全体が茶色っぽい色合いになり、見た目もよくない。弁当に、白、茶、赤、黄、緑、黒の6色の料理を入れるよう心がけるとよい。カラフルになれば、結果的に様々な栄養をとることにつながる。さらに、副菜となる「緑」や「黄」のレパートリーを増やすとよい。便利なのはブロッコリーとカボチャ。ゆでたブロッコリーの小房に削りがつおをのせ、しょうゆをたらせば「おかかあえ」。小房をアルミカップに入れマヨネーズをのせ、粉チーズをふってオーブントースターで約3分焼くと「グラタン風」になる。ゆでたカボチャを、1センチ角に切り、レーズンと、マヨネーズ、酢、カレー粉少々であえれば「サラダ」になる。また、ゆでたカボチャをフォークでつぶして、はちみつを混ぜ、ラップで包んで「茶きんしぼり」。角切りのチーズも入れるとおいしい。

過敏性腸症候群

2009-05-31 09:14:59 | Weblog
過敏性腸症候群は、腸に潰瘍やがんなどの病気がないのに、慢性的に腹部の痛みや、不快感を伴う下痢、便秘が続く病気。発症には、ストレスが密接に関係する。内臓の働きなどを調整する自律神経のバランスが乱れ、吐き気や動悸、頭痛、肩こりなどの症状を伴うことも少なくない。まず、生活習慣を見直し、規則正しい食生活と排便習慣を心がけること。1日に最低20~30分、外を歩くなど、適度な運動をし、睡眠も十分とること。食事は、下痢をしている時は、腸の動きを促進する脂肪や、野菜、果物といった食物繊維、冷たい飲み物などの摂取は避ける。反対に便秘になったら、積極的に食物繊維や水分を取るようにする。ヨーグルトなどの乳製品は、いずれの場合もしっかり取るようにする。乳製品に含まれている乳酸菌には整腸作用があり、下痢にも便秘にも効果が期待できる。症状が出た時は、腹式呼吸をして肩の力を抜き、気持ちを落ち着かせるようにする。精神的なストレスをためない工夫や和らげることも必要。

BMIと死亡率

2009-05-30 13:38:24 | Weblog
英国心臓財団などの研究グループは、肥満の程度を表す体格指数「BMI」が、22・5~25の人だと死亡率が最も低いとする研究成果を発表した。BMIは、体重(キロ・グラム)を身長(メートル)の2乗で割った数。英国の研究グループは、BMIと死亡率との関係を調べている欧米を中心とした世界57の研究について、約90万人分のデータを分析した。その結果、BMIが22・5~25の範囲より高くても低くても、死亡率が増加した。この範囲を超えた場合、心臓病や糖尿病、腎臓病などが原因で死亡する人が多く、BMIが30~35だと2~4年、40~45だと8~10年、寿命が短かった。一方、BMIが22・5未満の場合には、呼吸器系の病気や肺がんなどで死亡する割合が高くなった。日本肥満学会は、日本人のBMIの標準値を22とし、18・5未満は「やせ」、25以上を肥満としている。

長距離走

2009-05-29 17:51:41 | Weblog
長距離を走る人は、メタボリックシンドロームの発症比率の低いことがわかった。メタボリックシンドロームは、高血圧や高コレステロールを併せもつ状態で、糖尿病や心血管疾患につながる。米国で男性6万2,000人、女性4万5,000人強を対象とした「米国ランナー健康研究」のデータを分析した結果、年に2回以上マラソンを走る男性は、マラソンをしない人に比べて高血圧の比率が41%低く、高コレステロールは32%、糖尿病は87%低いことが判明した。2~5年に1回しかマラソンを走らない男性でも、このような症状のみられる比率が有意に低いこともわかった。マラソンによる効果は年間に走る総距離とはほぼ無関係であったことから、マラソンの準備のために1回にまとめて長距離を走ることが、健康リスク軽減に効果をもたらしていると考えられる。マラソンに参加しなくても、日常の運動に長距離走を取り入れている人は高血圧、高コレステロール、糖尿病の比率が低かった。定期的な運動はどんなものでも健康によいが、今回のデータから、普通以上の努力をすればその効果をさらに高めることができると考えられる。ただし心疾患のある人は医師に相談すべきだ。米国スポーツ医学会によると、1日30分のウォーキングなどを定期的に続けるだけでも、健康状態の改善、生活の質の維持、寿命の延長に有効であることがわかっているという。