あっという間に、こんな時間。

49歳で始めたブログから早や10年、もうじき還暦とは…。
思えば遠く来たもんだ。

最近読んだ本、あれこれ

2017年04月11日 | 読書
しばらく本のことを書いていなかったので、最近の読書あれこれをザクッと書いてみます。

・津村記久子の本、2冊
 前の仕事を辞めてハロワに通っていた頃、図書館でタイトルに惹かれて『この世にたやすい仕事はない』を借りたのがきっかけでハマってしまいました。
 芥川賞を獲ったころに『ポトスライムの木』を借りて読んだことがあったのですが、あの時は全然自分の心に響かなかったのに、年月を経て彼女の小説の良さが分かるようになりました。

 最近読んだのは『ワーカーズダイジェスト』
 中ほどまで読んでから(あっ、これ前も借りて読んだヤツだ!)と気づいた58歳。
 でも最近新聞の投書で読書家の70代の女性が「最後まで読んで号泣したあとで、読んだことのある本だったと気づいて、そのことに号泣した」と書いていたのがあって、それに比べたらまだマシ?と思ってしまいましたが。

 もう一冊は『とにかくうちに帰ります』。
 折れそうな心を抱えながら働く人の気持ち、ささやかな事に励まされてまた歩き出す日々、そんなことが哀切とユーモアの微妙な匙加減で描かれています。

 最近、朝日新聞に週イチで『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』という小説を連載していますが、これもすごく良い登場人物ばかりで、心にジワジワ染み込んできて元気が出る話です。
 サッカーを観に行きたくなる、というか、何かを理屈抜きで好きになって自分の糧にしたくなる、そんな気持ちになります。

・『騎士団長殺し』
 図書館でようやく順番が回ってきました。
 田舎暮らしは不便でつまらない事が多いのですが、図書館で人気本の順番がわりと早く回ってきたときだけは田舎で良かったと思ったりします。

 それはさておき。
 上巻だけ読んだところですが、正直あまり面白くありませんでした。
 全然ワクワクドキドキしないのです。
 心がざわついてページをめくるのが楽しみだった前作と比べると、妙に冷静な気分で読めてしまうというか。
 登場人物は相変わらず秘密を抱えてはいるのですが、どうも淡々とし過ぎていて、誰にも興味が持てません。
 とりあえず義務的に読み進めながらもつい、『IQ84』に出てきた牛河の過去の話を書いてくれたらいいのになあ、と関係のないことを考えてしまいました。
 そのうち下巻も借りる順番が回ってくるでしょうから、面白くなっていくことに期待…できないかもなぁ…。


・秋吉理香子の本、2冊。
 あの出家騒動で話題になった清水富美加の映画原作というので、興味半分で『暗黒女子』を読み、ついでに『放課後に死者は甦る』も借りてみました。
 思ったよりイヤな話じゃなかった。
 というか、『放課後~』の方なんか、ちゃんとした青春小説でした。
 ありえないシチュエーション&展開のストーリーなんですが、筆力のある、きちんとした読みやすい小説で意外でした。
 でも一回読めば十分かな、という感じ。

・『かなわない』植本一子
 新聞で紹介されてちょっと興味のわいた『家族最後の日』を借りようとしましたが、そちらが予約待ち状態で、とりあえずその前に自費出版されたというこの本を借りてみました。

 著者・植本一子…写真家だということすら知らなかったし、まったくこれまで知らない人
 その夫・石田さん…伝説のラッパーだということすら知らず、まったくこれまで知らない人。
 本の内容…まったく予備知識なし。

 こういう状態で本を読むのは久々でした。
 ページをめくったらブログ日記が大半で、しかもECDと書かれてあるのが何のことかさっぱり分からず。
 途中で(これは夫の石田さん(い・し・だ=ECD)のことなんだ!)と気づいたときは、さすが自分!と嬉しくなりました(笑)

 ウチの息子の引っ越し手伝いに出かける際に持参して、列車の中や泊まったホテルで読んでいたのですが、途中から夢中になって旅の間中この本のことが頭から離れなくなってしまって困りました(笑)
 非常に毒気のある、悪魔のような本です(笑)

 子育てがイヤなこと、夫や実母との関係、ある日突然書かれいた「好きな人」のこと。
 露悪的とも言えるほど赤裸々に自分の感情を書き連ねていて、将来子供たちがこれを読んだらどう思うんだろう、と心配になってしまいます。
 夫や実母に関する記述も容赦ない部分があり、本人たちに読まれていることを知りながらここまで書くのは何だかなぁ、とも思いました。
 
 こんな表現方法を「正直すぎるから」とか「ここまで書かないと魂が救われないのかも」と肯定的に捉える気持ちも私の中にはありますが、それを上回るのが「やっぱり自分勝手」「実母との関係にすべての原因があると決めつけすぎている」「芸術家だから何をしても許されると思っているのでは」という否定的な気持ちです。

 二回りも上の石田さんと結婚したくて妊娠して、産んでみたら子育てが苦手で、夜な夜な出歩いて、好きな人が出来て、家族に晩御飯を食べさせたら彼の部屋へ行き泊まる…って、アンタそりゃ自己中ってもんですよ、って感じです。
 それをまあ、ヒロイン気取りで言葉をこねくり回して、たかだか不倫の痴話喧嘩の話なのに恋愛だのなんだのって。

 …と否定的に思う気持ちは強いのですが、それでもこの人の行動日記から目が離せないのは怖い物見たさなんでしょうか。
 自分の代わりに地獄巡りをしている人を安全な場所からじっと見つめて、自分のいる場所の安全さを確かめている気分なのか。
 
 彼女は自分の周りの人に誰彼かまわず気持ちを訴えて泣きまくり、励ましてもらったり助けてもらったりしています。
 世の中って親切な人が多いのか…。
 私だったらこんな「かまってちゃん」の女性がいたら、距離を取って付き合わないようにしますが、こういう不安定な人に磁石のように引かれてしまう人も多いのかも知れません。
 
 とにかく良くも悪くも「疲れるけれども面白い」本でした。

 で、ゲスな私は彼女の「好きな人」が、私の推理したあのミュージシャン(本の途中からぱったりと名前が出なくなった男性)なのか確かめるため、ネットで検索してしまったのですが、やっぱりその人のようでした。
 彼女の写真スタジオのポートレート作品にも、彼の笑顔がアップで載っていて、(ひぇ~!!)と仰天してしまいました。
 すったもんだのあった人のこんな写真を載せられるなんて、なんか、ものすごい神経だわ…。

 そして、一切写真の無かったこの本を読みながら想像していた作者の顔が、私の思ってたのと違って全然美人じゃなかった事実に(失礼ながら)何故だか自分のアホさ加減に笑えてしまいました。
 漫画や小説の中の登場人物じゃないんだから…。

 色々と思い込みに縛られてる普通のオバサンの私には、やっぱりこの作者のことは理解できなくて当然なのかも知れません。
 
 最新作の『家族最後の日』では更に怒涛の展開があるようで、図書館の順番が回ってくるのが楽しみなような怖いような…。
 他人の日記を読むのは、自分の精神状態が良い時じゃないと危ないですね。




  

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