あっという間に、こんな時間。

49歳で始めたブログから早や10年、もうじき還暦とは…。
思えば遠く来たもんだ。

質量不変の法則

2018年10月10日 | 身辺雑記
先週札幌へ行ってきた際、ピアスを片方失くしてしまいました。
誕生石のアメシストが小さく揺れるピアスでした。
何か物を失くすといつも、私は「質量不変の法則…」と呟いて自分を慰めることにしています。


・・・・

札幌へ行ったのは、久しぶりに両親に会う為でした。
認知症の父と、やや認知気味の母は、事情があって札幌で別々の施設に入所していて、札幌在住の姉夫婦が何かと面倒を見てくれています。
二人とも元気なことは姉から聞いていましたが、北海道で大きな地震もあって何だか会っておいた方がいいような気がして、夫も仕事を休めることになったので二人で行ってきました。


一泊二日。
初日はまず父の施設へ。
姉の運転で、私と夫の三人で訪問です。

食堂にいた父は、私の姿を見ると喜んで手を叩き、職員さんに「これ、おれの娘だ」と紹介していました。
おお、今日は調子良さそう。
でも残念なことに、やっぱり私の名前は出てきません。

しょうがないです。

実は娘の私も、施設の食堂に入った時にテレビを観ている父らしき人がいたので、その横顔に「父さん!来たよ~!」と声をかけて近寄ったのですが反応が無く、更に一歩近寄ろうとしたら、私の真横から父(実物)が職員さんに支えられて来てビックリ仰天したのですからして…。
いくら似たり寄ったりの年齢のお爺さんばかりの施設とは言え、実父を間違える娘なぞ父から名前を忘れられても責める資格はありませんて…。

(ちなみに夫はその時私の後ろにいて、その人は父さんじゃないのでは…?と思っていたそうです。早く言って欲しかった…!)


父は体調の良い日だったらしく、おぼつかない口調ながらもさかんに私たちに話しかけてきました。
夫に会うのは久しぶりで忘れているのかと思ったのですが、父の中に微かに「知ってる人かも?」という認識はあるらしく、色々気を遣って夫にも話しかけていました。

「あんたは…どなたでしたか?」と尋ねる父に、夫が私を指差して「この人のダンナです」と説明したところ、
「えっ、あんたもか!?」と父。
父さん…「あんた」って、私に夫は一人しかいないんですけど!
夫は苦笑いしていました。

延々と同じ話を続ける父も少し疲れてきたようなので、また翌日に母も連れて来ることにして、姉が父の耳元に「明日は母さんも一緒に来るからね!」と教えたところ、父は
「え?母さん?まだ生きてらってか?」とひと言。
みんなで爆笑してしまいました。

父は昔から人を笑わせるのが好きな人で、これが果たして冗談なのかボケのせいなのかよくわかりません(笑)
父なりの「サービス」だったのかも。
姉によれば、日によって凄く不穏で機嫌の悪い日もあるらしいので、こうやって笑える時間は貴重なんだなあと思いました。


翌日は母(生きてます、まだ)も連れて父の施設を再訪しました。
父はこの日も上機嫌で、延々と夫に「仕事はなに?」と尋ねていましたが、私との関係については触れていませんでした。
姉によれば、姉の旦那様のことを「学校の先生」と思っているらしく、ウチの夫のことは「今日は多分スタッフだと思ってるんじゃないか」とのことでした。

帰り際に、父がふいに私と姉の手をつかみ、更に母の手も握り、なぜだか4人で強引に「円陣」を組まされました。
夫は仲間に入れてもらえず(笑)仕方なくそんな皆の姿を写真に撮る係を務めていました。
やっぱり今日は「スタッフさん」だと思われていたのかも知れません(笑)

円陣を組んで気合を入れた「チーム〇〇家」。
キャプテンは多分、今は姉。(コーチは義兄)

いつかはチーム解散の日も来るのでしょう。
脱退の順番が逆にならないことを祈るのみ、です。

・・・・

私の片方のピアスは、多分泊まったホテルの部屋の中で失くしてしまったのだと思います。
床のカーペットを少し探してみたのですが、見つからなくて諦めました。

でも必ずどこかにあの片方は存在していて、たとえ誰かに踏まれたりゴミになってたりしても私の代わりに札幌にずっと有る。
父も母もいつかこの場所からいなくなっても、何かの形に代わってずっとどこかに有る。
そう思うと少し気が晴れるように思います。

本来の化学的意味からすれば的外れな使い方ですが、「質量不変の法則という言葉」が、私は好きです。
センチメンタルな話でお恥ずかしいですが。


(画像は、素晴らしく晴れた札幌大通り公園)




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