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メリルリンチ ウォール・ガイ 議会で詰められる

2008-03-09 10:51:49 | 英語情報
メリルやシティで大損こいてくびになった経営トップが、なお高い報酬を得ていることに批判があるわけですが、議会に呼ばれて質問に答えてますな。

Congress Questions Executives on Pay

Many Republicans on the committee fought the very premise of the hearing. “This is a hearing in search of bad guys,” said Darrell E. Issa, Republican of California. “Are there bad guys in front of me? I’m not seeing it.”

『今日は悪人を探すらしいが、どこにいるんだ』。

議会といっても共和党と民主党があるわけでして、共和党議員の多くは問題ないと感じているわけですね。ちょっと意外です。

But the Democrats honed in on why executives who oversaw such vast losses were so well compensated.

でっかいロスを見逃しておいて、これはサブプライムのことでしょうな、なんでそんなに高い報酬をもらえるのか、と民主党。経営トップの報酬問題は、政治の党派対立に関連して騒がれているってことですな。グリーンスパンでしたか、党派対立は近年になって激しくなった、と指摘していました。

以下、バカバカしいながら、議論が面白いので、

John Finnegan, chairman of Merrill’s compensation committee, was asked why Mr. O’Neal was permitted to retire rather than being forced out for cause. If Mr. O’Neal had been fired, he would have forfeited the $131 million in stock and options he had earned in prior years.

メリルの報酬委員会の委員長がこう聞かれた。なぜクビになるのではなくて引退を認められたのだ。もしクビになったのであれば、1.3億ドルのストックとオプションは消滅していたのに。

Mr. Finnegan said cause involved unethical behavior, not bad judgment.

答えていわく、クビになるのは、トップが倫理に反する行動をとった場合であって、経営判断を誤った場合ではない。

One representative asked Mr. Prince if the fact that Goldman Sachs had so far averted any major write-downs or losses was evidence that the problems in the mortgage market were forseeable. Mr. Prince responded, “You’d have to ask the people at Goldman, and they are not here today.”

不動産マーケットが問題だったのは明らかで、ゴールドマンは事前に問題を読んでロスを免れたじゃないか、と問われて、シティのプリンスさんいわく、

『だったらゴールドマンに聞いてくださいよ』

中々笑えます。彼らが法的なミスを犯すとは思えませんね。ワイルさんの回顧録を読んだ限りでは、プリンスさんはもともとシティの法律顧問だったんじゃなかったですかな。スキのあるわけがない。


Mr. Waxman ended the hearing by complimenting the witnesses on their extraordinary individual tales and for their service to their firms. But he added, “It seems like everyone is hurting except for you.”

関係者が皆大きな損をしている中で、あなたたちは例外なんですな。この最後のしめの言葉も良いですね。

さて、メリルリンチの数字を少し見ておきたいのですが

四半期で一番左が07年12月です。
Total Revenue    4,432.00   13,702.00   23,429.00
Gross Profit    -10,793.00    -980.00    3,995.00
Operating Income -14,920.00   -3,638.00    2,826.00

売上も利益も下半期がぼろぼろです。資産をがばっとwright offしたので売上も激落ちしたんでしょうか。中味を見ないとどうなっているのかわかりませんが、こんなに落ちるんですかね。

年度ベースでキャッシュフローをみておくと
左から07年、06年・・・。10億ドル単位に調整しました。

Cash from Operating Act -72 -23 -24 -14
(Changes in Working Capital) -60 -33 -31 -20
Cash from Investing Act -7 -11 -1 -4
Cash from Financing Act 88 52 18 30
(Issuance of Debt) 78 54 18 26

毎年営業CFが大幅マイナスです。兆円規模ですね。マイナスの中心がワーキングキヤピタルの増加によるものです。短期の資産が増えているようです。

しかも,えいやーっとばかりに07年に急増してますよね。最後の最後に思いっきりやってしまった感がありますね。トップの報酬制度が不備でトップのリスクテイクに歯止めきかないと記事でも誰かが指摘してましたが、これをみても、そんな感じがしてきますな。

でその調達は借入で行っておりますな。会計上の減損は別として資産の劣化がどの程度か、が今後の返済にも関係してくるんですかな。

減損しておしまいではなくて、実際に決着させてゆくことになるわけで、こんな簡単な数字をみただけでも、ゲッって感じですな。



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