山 崎 泰(やまざき たい)のデイリーブログ
新宿区のTFS国際税理士法人理事長 山崎 泰が、「心に残る出来事」「忘れられない想い」をホンネで綴る、ズッコケ珍道中!
 



数日前、実務経営サービスの主催するセミナー。

エストニアから帰国中の小森努氏の話を聞く機会があった。

タイトルは「エストニアから学ぶ、電子政府がもたらす変革と会計事務所の将来」

 

小森氏は、名古屋生まれ~名古屋育ち~

名古屋大学工学部で原子核エネルギーを専攻した後、様々な国際事業に従事。

2015年にエストニアに移住し、同国の歴代首相の来日ミッションにも同行。

日本語、英語、スペイン語、イタリア語、ロシア語、インドネシア語を話し、

エストニアの電子居住権でもあるe-residencyを、初めて取得した日本人!

 

今年1月、安倍首相がIT先進国としてのエストニアを公式訪問、

大前研一氏が「人口130万人エストニアから、税理士や会計士が消滅した理由」

というコラムを載せる(週間ポスト)など・・・

昨今、なにかと注目を集めるエストニア。

 

エストニアは、人口約130万人。

国の広さは、約45,000㎢。

九州と沖縄とを足したくらいの面積、人口も福岡市くらいしかない国が、

なぜここまで注目を集まるようになったのか?

そこには、国家としてのどのような戦略があったのだろうか?

今や日本人として、エストニアに精通する第一人者として、

小森氏は、かなり本質的な指摘をされた。

 

エストニアは、1629年スウェーデン領となった後、

1721年、北方戦争後、ロシア領に。

1918年、独立宣言後も、1940年にはソ連に併合される。

1991年、ソ連から独立後、2004年にNATO加盟・EU加盟。

2011念、ユーロ導入という歴史をたどってきた。

 

他国からの侵略の歴史も経るなかで、

小国ともいえるエストニアは、

国家経営としての効率性を目指したと、小森氏は指摘する。

その一環が、徹底した電子化による効率化。

その延長線上に、世界第1位の「国際税制競争力」(2015年)があるという。

 

例えば、国を挙げた「徹底した電子化」によって

「会社設立」に要する時間は、510分⇒30分に短縮

「付加価値税申告」に要する時間は、68分⇒7分に短縮

「社会保障税申告」に要する時間は、78分⇒10分に短縮

「投票」に要する時間は、44分⇒6分に短縮

「雇用基金サービス」に要する時間は、37分⇒13分に短縮

オンラインを利用している比率は、所得税申請で95%、銀行取引で99%、投票で30%・・・

勘違いしてはいけないのは、例えば「オンライン投票」がMUSTなのではなく、

「オンライン投票」という効率化された選択肢が、投票方法として用意されているということ。

投票の場合には、事の性質からも、実際に投票に行く割合も多いという。

でもやはり、人はより便利な方法を選ぶので、「待ち時間ストレス」からの解放は大きな成果だと小森氏はいう。

 

北欧のおける近隣諸国に対しても「どのように差をつけて勝つか」という競争原理を考えたときに、

「テクノロジーで効率化する」という国家戦略をとったと指摘。

徹底してITを生かした、付加価値の創出。

さらに「IT化×ルール単純化」の徹底まで踏み込んで、

国の手続きをも、できうる限りすべてを自動で出来るようにして、途中に入る人を少なくする。

それゆえ、ルールをも単純化して、司法書士・会計士・税理士が入らなければならないような

ややこしく、複雑で難しいことを排除。

 

小国であるがゆえに、人口も人材も限られている。。。

それゆえ、輸出など国際競争力を競える場面に

優秀な人材を回すためにも、国家の経営戦略として

「徹底した効率化」を目指したという。

 

だから、税制もまさにシンプル!

フラット課税を採用した、シンプルな標準ルールだ。

法人税20%、所得税20%、消費税20%・・・なんともシンプル。

 

さらに、法人税も、企業内に利益剰余(内部留保)している間は課税しない。

剰余金を配当した時、はじめて20%が課税される。

経費も単純化。

交際費なども、会社の外にお金を使った時に課税対象に。

 

「健康保険証」も「運転免許証」も「処方箋」もない!

なぜかって?

すべてIDカードに紐付いているから。

 

日本に来たエストニア人と・・・

こんな印象を持つ人も少なくないらしい。

印鑑ってなんですか?

住民票ってなんですか?

印紙ってなんですか?

お薬手帳ってなんですか?

期末利益処理?時間の無駄でしょ?

経費のうまい使い方?

せこくない?

 

国として、国家経営として、国民や会社が、

本来の「経営」という、本業に集中しやすい環境を作っている

人口が少ない国ゆえ、諸手続き等も可能な限り省力化、税制もフラットにして

優秀な人ほど、頑張って稼げば稼ぐほど儲かるようにして

「国際競争力」を高めている国・エストニア!!

歴史が浅い国だからこそ、柔軟に様々な

新しい取り組みができるエストニア!!

 

当社にも、エストニアでの個人事業スタートや法人設立の相談も。

エストニアが非居住者旨に電子サービスを行う「e-residenc」も、

エストニア政府が、非居住者に利便性を提供し、国家税収を増加させる、ひとつの大きな国家戦略。

 

是非とも、一日でも早く現地を見てみたいのだが、

あいにく案内された9月の日程は、都合がつかず、

なんとも残念至極。。。

 

エストニアに、ご関心ある方は・・・www.beneasiacapital.com



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