けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

年老いた体に寒風と空腹、自業自得なのでしょうか

2019-06-02 11:22:17 | 日記
寒空の下、スズメのように集団で立ち並んでいるホームレス。そこは、100年余り前は大木が茂る森であった上野公園の一角。数年前まで蔦が絡まる木々があった場所も無残に切り倒されブルドーザで整地された。そこで生活していたホームレスの青テントの痕跡もない。

潅木の間を縫うように立てこんでいた青テント群とそこを行き交う人々の落差。日本社会を照らし出していたモザイクの一つだった。音楽堂・美術館・科学館・動物園を訪れる恵まれた人々はそれらを見てひそひそ話を互いに交わし、はしゃぎ回る子供には見せないように早足で通り過ぎていた。

目障りだ。東京のど真ん中にあるこ汚いものは片付けろ。オリンピックが来るんだ。パラリンピックの選手も義手で、義足で、薄汚い老人を蹴って加勢しているのか、ただ黙している。敗戦後、米軍によって強制収用させられ、日本にはなかったであろうブルトーザーで住む家ごと追い立てられた沖縄県民みたいだ。

毎年のように伐採されてゆく大木。オリンピックが念頭にあるのであろうか。広大な広場はコンクリートで固められ、これ幸いと北風だけが大はしゃぎ。そんな殺風景になった上野の森と形容されたのはいつの日だったか。乾いた空気がほこりを舞い上げる公園内にキノコのようにできたスターバックスの店内でカップを手に熱いコーヒーを啜る人達には別物に見えるのだろう。

そんなに厄介者の集団なら、ホームレス専用キャンプを作ってしまえ。誰の眼にも触れられずにひっそりと住む。かってのライ病患者のように。なにしろ、東京駅近辺には、職業選択の自由を持てない天上人といわれる家族が居住している地、堀で囲まれたもっと樹木の茂っている広大な敷地が遊んでいるのだから。社会から見放された人々の移動の自由? はっ? アベ一族の辞書にはそんなものないよ。一昔前の南ア連邦やアメリカ合衆国の亡霊が引きずる音が北風の中に聞こえる。
(2017-12-12)

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