けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

上野で出会ったネパールの空気

2017-10-22 10:30:13 | 日記

褐色の肌と彫りの深い顔が行き交う
細身の少女達が纏う真紅や濃い緑色を基調にした民族衣装の群
漆黒の長い髪が背中に垂れ夏の終わりの太陽光に汗ばんでいた
脇腹の脂肪が押し出されている女性達も堂々と参加していた

顔から首を経て肩に流れ落ちる髪を荒くゆったりとねじっている
石工が彫る髪に光と影が作られ女の匂いがむせ返っているのに
これが髪の毛だというように束ねた長い髪が周囲に優雅さを齎している
漆黒の長い髪が揺れる美を少女たちもそれを過ぎた女性たちも知っているのだ

濡れ粘土やオーカ黄の顔の上にある黒髪を淡い黄色系の髪に染める日本人
欧米の白人に隠れた劣等感をひそかに抱きブロンドの髪染めに狂喜し
浮世絵に描かれた長い直毛を異次元の人達のように見入っている現代日本人
ブロンドに染めた髪の生え際から黒い髪が直立しているのも気づかずに

乾いた土が浮き出ている上野公園の芝生に円陣を作って座り食事する女性たち
テーブルを囲み椅子にゆったりと座り食事する男性群や家族たち
伝統を守る風潮が強いのだろうか長い髪の群にヒマラヤの空気が漂っている
研ぎ澄まされた色彩感覚がなせる技なのだろうか

即席の出店からは強烈なカレーや唐辛子が鼻腔を刺激する
拡声器のボリュームをいっぱいにして怒鳴るようにして喋るアナウンス
プワーと大きな音を出すラッパが鳴り響き即席壇上に入り乱れて踊る男女
姉妹同士なのか友達同士なのか男でも女でも大きな大人が手を繋いでいる

故郷の味を求め長蛇の列が民族食の出店の前に続いている
猛烈な午後の日差しの中で汗だくだくになって調理する人々
カレー粉や香辛料が鉄板の上で油と跳ね好みの肉が焼かれている
甲高い民族音楽の旋律に乗って唐辛子が燃え目を射っている

(8月27日(日曜日)に東京上野公園で開催されていたネパール祭)


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