けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

外国人観光客のタ トゥーと温泉、銭湯

2024-03-27 18:50:47 | 日記
全身に刺青を入れた屈強な男たちが銭湯に入ってきて髪や体を洗っている。特別に意識していなくても周囲に威圧感や違和感を与えていることが感じられる。電線にとまっているスズメのように彼らが湯船の縁に腰掛けている、と町中の銭湯に行くという男が話してくれた。

イスラム教徒がヒジャブ(女性が髪を隠すために顔を覆っている布)を付けて歩こうと、ユダヤ教徒が頭にキッパ(河童のお皿のような帽子)を載せたり、重く垂れ下がった髪の毛と真っ黒な長衣を引きずるように歩こうと、シーク教徒がターバンを頭に巻いて街中を歩こうと自由だ。

イラク戦争直前に、真夏の上野動物園で出会った二人の若い女性は(目と全身像で判明)、網戸のように目の部分だけを開けているブルカで全身をすっぽりと覆って動物園見学していたし、付き添いの男は半ズボンの半袖姿だった。
 
超ビキニ姿で銀座を歩いても、今、アメリカで流行っている「パンツを脱ぎ捨てよう」で歩いても(女子高生にもこれに似たのがいる)、それぞれの民族衣装で街中を歩いても、腕・肩・背中のタトゥーを見せて街中を歩いていても、全く問題ない。自由だろう。くだらぬ官憲が余計な口出しをしなければだけれども。
 
が、公共の擬似閉鎖空間内ではどうか。かなり慎重な疑問符が付く。例えば、銭湯や温泉。こんなタトゥー問題を投げかけているヤフー・ジャパンの記事があった。外国人観光客の「タトゥー」温泉体験とおもてなしの行方はいかに。
 
戦後のアメリカ占領軍兵士のように土足で家の中に入り、そのまま畳の部屋に椅子を置いて座る。銭湯で、旅館の風呂場で、石鹸の泡が付いたまま湯船に浸かって洗い流してしまう。そんな笑い話めいたことが明治期の外国人にはあったようだが、今では、どうだろうか。あったら、その現場に駆けつけて、「ウオッホッホッホ」と叫んでみたい。

ゆっくりと横になれる洋式湯船の欧米では、洗濯機で汚れ物を洗うように人間も湯船の中に浸かり、洗い、終れば湯船に溜まった垢と石鹸混じりの湯を抜く。だから、温泉や銭湯に入る前、湯船に浸かる前に陰部と肛門周囲を洗い流し全身に湯をかけてから入るなんてこともしない。

長い歴史に根ざした土着文化を無視した行為に投げかけられた問題。ホテルの個室から飛び出た外国人が日本文化の中にドンドンと入ってゆく。お金が廻ると喜び推奨している政府と民間の受け入れ側とのジレンマ。

オリンピックで世界中から人が集まる。彼らも開かれた日本文化の中に入ってくる。単なる体験として試してみるだけではなく、全身ドップリと浸かって。前回の東京オリンピックでは、旧称 「トルコ」といわれたいかがわしいものに隠れた人気があったとか。さて、今回は、多様な選択肢があるトウキョウ。ラブホの体験、秋葉原のメイドカフェ、デリヘル・・・・・。さて、どれが国際版週刊誌に取り上げられるか。ワクワクする。感染症もあるぜ。こりゃ、一億総活躍・経験社会になるな。
(2018.02.24.投稿)




コメントを投稿