けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

生卵 & 卵かけご飯、日本の専売特許ではない、と思うけど

2023-11-19 20:27:02 | 日記
訪ねてきた弁護士の友と質素な夕食をとる一場面があった。「フランス革命」の映画(You Tube)だったが、生卵を割った器を友に渡し、パンですくい取りながら食べている。器の中は写っていないので卵の状態は分らない。
 
日本でも、卵はぜいたく品だった。現在では、鶏を人工照明で飼育し、搾り取るだけ搾り取り、ボロボロになれば、安売りスーパーへ、唐揚げ店へ直行となる。こんな「生卵&卵かけご飯」を日本固有の食文化のように宣伝している傾向に、そうだろうかと疑問を抱いていた疑念が解けた。だまされていた。
 
日本語を習得した外国人をスタジオに招いて、日本文化の宣伝番組。納豆を食べられるか。豆腐は、生卵は、と質問が続く。外交儀礼を心得た欧米白人が番組司会者にうける優等生的答えを連発する。それを聞いて、虚栄心をくすぐられ喜んでいるゲストや司会者。
 
まるで、文明開花期の日本人に、血の滴るようなビーフステーキが好きかと聞く様な感じだ。こんな番組/ユーチューブが巷に溢れている。こんなものもあります、こんな立派な建造物もありますと、続々と名乗り上げている。ほんの数年前まで、恥ずかしいといって隠したり、隠すように命じられていたものではないか。劣等感の裏返しで、今度はふんぞり返っている。
 
フランスにいたとき、普通に食事をする金がないので、生卵を買って黄身だけを取りだし、その上に塩を振りかけて食べていた。割った卵の黄身がはち切れんばかりに盛り上がっているのに驚いた。その色は、正に、感動する黄金の夕陽だ。地方を旅したときも、レストランに行く金もなし、節約のためと栄養補給のため、生卵を買って黄身の部分だけを食べた。
 
卵はチーズ店で売っている。面白いのは、昔の乙女が買物に使っていたような籠に入れて売っている。一個でも売ってくれる (パリ中心部でも)。お惣菜もガラスケースの中で、瀬戸物の入れ物に入れられて売っている。ニシンの燻製(二種類ある)、米をぶどうの葉で包んだもの(中の米がこぼれおちないようにブドウの葉でがっちりと包帯のようにして巻かれている)を時々買って食べた。これは、ブドウの葉が黒くなっていて小さな捲き寿司そっくりだ。中東系の店でも売っている。ニシンは美味かったし、量があるのにはびっくりしたものだ。
(2017-09-28掲載)




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