けぶる稜線

ひいらぎのとげが語る

血と刀(カタナ)

2019-06-23 19:05:28 | 小説

私の心臓は張りさけん
晩秋の落日よりも紅い
固体化された厳冬の空気より清い
私の心臓を流れる血

このしぶとく、激しく
一時も休まぬ私の心臓に
極北の冷気と鋭き刃(ヤイバ)で
貫いて欲しい

一瞬にしてほとばしる血潮は
後悔の刃をアカアカと
ぬらすだろう
生温かい私の血でもって

私の敵は喜悦にひたり
最後の勝利を祝うだろう
私の血が刃にこびり付き
さびらすまで

1984年8月



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