ジャズファンにとって『バスクラリネット』と言えば殆どの人がEドルフィーを思い浮かべるだろう。実際彼以外恒常的にこの楽器を使っていた人は居ない様に思う。評論家や物書き、ミュージシャン達も揃ってバスクラが如何に難しい楽器かを言及・記述してドルフィーを讃えていて、読んだことのある人も多いのではないだろうか。そんなドルフィーに対抗してかクラリネットの名手が全編バスクラを吹いて録音した作品が此れ。元々伝統的なスタイルから出発したBデフランコだがビバップ~ハードバップ~モード~フリーと変遷する中をクラリネット1本で渡り歩いた彼も又凄いミュージシャンと思う。内容はモンク、コルトレーン、オーネット等の曲が並び、流石クラのエキスパートだけあって難楽器を自在に操りドルフィーとは一味違った世界を描きだしている。アグレッシブなトーンで、よりメロディックなフレーズのソロは聴く者を引き込んで放さない。ゾクゾク来ます。Aブレイキーのドラミングも洗礼されモダンなリズムを醸し出していて見事。
蛇足:ベーシストのSPROLESと言う人を知らないが、前項に紹介した人名事典には詳しく記載されていて数々のバンドに参加した腕利きの様だ。その野太い音はバスクラと良く絡んでいると思う。又、このアルバム以前に『LEONAD FEATHER'S ENCYCLOPEDIA OF JAZZ』と言うタイトルで出ていた事もあるらしく、偶然とは面白いものだ。
◆MUSIC DATA
1.BLUES BAG (Buddy De Franco) 5:27
2.RAIN DANCE (Victor Feldman) 5:34
3.STRAIGHT NO CHASER (Thelonious Monk) 3:43
4.COUSIN MARY (John Coltrane) 4:38
5.BLUES CONNOTATION (Ornette Coleman) 3:43
6.KUSH (Dizzy Gillespie) 7:44
7.TWELVE TONE BLUES (Leonard Feather) 6:18
◆PERSONNEL
BUDDY DE FRANCO (B-Cl,Cl)
VICTOR FELDMAN (P,Vib)
VICTOR SPROLES (B)
ART BLAKEY (Ds)
LEE MORGAN (Tp) ―5,7
FREDDIE HILL (Tp) ―5
CURTIS FULLER (Tb) ―2,5,7
◆RECORDED
1964.12.1&3
◆RECORDING ENGINNER
◆LABEL
VEE JAY
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