ヨーロッパのジャズを良く聴く訳ではない。このアルバムもメンバーにHERB GELLERの名前があったから気になった。頭の片隅に『GELLERは即興演奏の重圧に疲れ果てジャズの世界から遠ざかり、ダンスバンドで生計を立てている云々』という文章を何処かで読んだ記憶があり、それを思い出して73歳時どんな演奏をしているのか興味を惹かれて入手した。
ROBERTO MAGRISはイタリアを代表するピアニストの一人で、人気も高くネット検索すればCDの10~20枚すぐ見つかる人だ。イタリアのジャズはハードバップか精々新主流派あたりで時計が止まったまま現在に至っている感じ、真っ直ぐで解りやすい。そんなイタリア人だからこそ50年代モダンジャズ黄金期に生きたGELLERに畏敬の念を抱きゲストに迎えたのではないか?そんな風に思った。実際アルトを全面でフィーチャーしていて一聴GELLERがリーダーかと錯覚するほどだ。さすがに50年代の切れ味鋭い触ると火傷しそうな演奏は影を潜めているが、成熟したサウンドは風格の様なものを感じる。GELLERの事ばかり書いてしまった。選曲も多岐に亘っていて全曲良いがMAGRIS作のタイトル曲が特にお薦め、買って損は無いと思う。
◆MUSIC DATA
1.NO SADNESS (Roberto Magris) 5:50
2.STRAY FORM (Herb Geller) 4:36
3.SOME OTHER SPRING (Irene Kitchings-Arthur Herzog) 5:16
4.KEY LARGO (Benny Carter) 4:38
5.A NEW TOWN IS A BLUE TOWN (Richard Adler) 7:08
6.HERE I’LL STAY (Kurt Weill) 5:33
7.AH MOORE (Al Cohn) 5:03
8.IL BELLO DEL JAZZ (Roberto Magris) 5:14
9.PRETTY WOMAN (Stephan Sondheim) 6:04
10.PARKER’S PEN (Roberto Magris) 5:07
11.DECEPTION (Herb Geller) 6:48
◆PERSONNEL
HERB GELLER (As)
DARKO JURKOVIC (G)-1,8,10,11
ROBERTO MAGRIS (P)
RUDI ENGEL (B)
GABRIELE CENTIS (Ds)
◆RECORDED
2003.8.28,30 TRIESTE(ITALY)
◆RECORDING ENGINNER
FULVIO ZAFRET
◆LABEL
SOUL NOTE
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