立憲民主党 山としひろ「パワフル日記」

立憲民主党 衆議院富山1区公認内定者
44歳 
人にやさしい政治

【一般質問】 寡婦(夫)控除の「みなし適用」を要求!

2014年06月11日 | Weblog

 昨年9月定例会で取り上げた寡婦(夫)控除の「みなし適用」の問題。今回、改めてみなし適用を求めて質問しました。

 未婚のひとり親(ほとんどが母子家庭)は、所得税法上の寡婦控除の適用が受けられません。そのため、離婚したひとり親と同じ所得水準であっても、税や保育料、公営住宅家賃でより重い負担が強いられます。法律上の婚姻歴があるかどうかで負担に大きな差を生じさせることに合理的理由を見出すことはできません。婚外子差別であるともいえます。

 残念ながら、当局の答弁は前回と全く同じ内容で前進がありませんでした。税制は国において改正しなければなりませんが、保育料や公営住宅の入居資格・家賃は自治体の裁量=みなし適用で、負担軽減を図ることは可能です。

 少数ながら、首都圏の自治体や政令市でみなし適用を導入しています。ぜひ先進自治体を見習ってもらいたいです。困っている住民に寄り添い、できることは積極的にやる姿勢を示してもらいたいです。それこそが、本物の「地方自治」です!

 


【一般質問】 寡婦(夫)控除の「みなし適用」について

 

 寡婦控除は、所得税法で定める所得控除のひとつです。配偶者と死別もしくは離婚後、婚姻していない人などに対する経済支援のために設けられた制度です。扶養親族や所得金額など一定の条件を満たす場合に適用され、扶養する子どもがいる母子家庭の場合、27万円が控除され、控除前の所得が500万円以下なら35万円に増えます。

 寡婦控除は一度でも婚姻歴があれば、その後未婚で子どもを産んでも適用されますが、婚姻歴がない未婚のひとり親家庭(ほとんどが母子家庭)に対しては適用されません。そのため、未婚のひとり親は、離婚・死別のひとり親と同じ所得水準であっても、高い所得税、住民税を支払っています。さらに、影響はそれだけにとどまりません。公営住宅入居資格や家賃、保育料は、課税所得をもとに算定されるため、負担が重くなっています。

 母親と子ども1人で年収200万円程度のモデルケースで試算すると、未婚の母親は10数万円から20万円も余分に負担しなければなりません。

 今日、さまざまな事情から母子家庭が増えています。2011年の厚生労働省の調査によると、母子家庭になった理由として、「未婚」が7.8%と2番目に多く「死別」(7.5%)を上回っています。また、2011年には約23,000人の婚外子(全体の約2.2%)が誕生しています。

 母子家庭の家計は総じて苦しい状況にあります。母子家庭の母親の約8割が働いていますが、その半数はパート・アルバイトといった非正規雇用で、十分な収入が得られていないのが現状です。

 子どものいる世帯の平均収入が約658万円であるのに対して、母子家庭の世帯収入は291万円と平均の44%しかありません。就労収入に限ると181万円と極めて低水準にあります。

 母子家庭の中でも、未婚の母子家庭の就労収入が160万円と最も経済的に困窮しており、そこへの支援が喫緊の課題です。

 児童扶養手当の受給状況で確認したところ、現在、江南市には800を超えるひとり親家庭があり、そのうち約50世帯が未婚のひとり親家庭(父子家庭1世帯含む)です。

 ひとり親家庭支援のポイントは、仕事と子育てを両立できる環境を整えることにあります。

 

質問1

 現在、未婚のひとり親家庭で保育園に子どもを通園させている世帯は何世帯ありますか。仮に寡婦控除をみなし適用した場合の影響額はいくらになりますか。

 

 なお、市営住宅入居者で未婚のひとり親家庭が1世帯あることを申し上げておきます。

 

質問2

 ひとり親家庭で家計が厳しい状況は同じなのに、婚姻歴の有無で負担に差をつけることに合理的理由を見出すことはできません。

 昨年、民法の相続規定の婚外子差別が違憲とされ、民法が改正されました。婚姻の有無よりも子の立場を重視する流れができつつあり、早期に税制改正を行うべきです。

 国の動きを待つ受け身の姿勢ではなく、自治体としてできることがあります。ひとり親家庭の経済的支援、子どもの貧困対策、少子化対策などの視点から、ぜひ寡婦控除のみなし適用を実施すべきと考えますが、見解を求めます。

 

≪メモ≫

 

○  児童扶養手当受給世帯(江南市)

・  2014年4月 800世帯(離婚700世帯 未婚50世帯 死別8世帯など)

・  2013年8月 838世帯(離婚739世帯 未婚50世帯 死別9世帯など)

・  2012年8月 822世帯(離婚747世帯 未婚52世帯 死別6世帯など)

 

○  2011年現在、母子家庭は約124万世帯。2012年3月末現在、児童扶養手当の受給者は全国で約107万世帯。うち、未婚の母子世帯が88,624世帯、未婚の父子世帯が5,784世帯に上る。

 

○  母子世帯になった理由(厚生労働省 2011年)

・  離婚 80.8% 未婚 7.8% 死別 7.5% 行方不明 0.4% 遺棄 0.4%⇒死別よりも未婚の方が多い。

 

○  母子世帯の母の年間就労収入(厚生労働省 2011年)

・  平均年間就労収入 181万円

    死別の母子世帯 256万円

    離婚の母子世帯 176万円

    未婚の母子世帯 160万円

・  母子世帯の年間収入は子どものいる全世帯の平均所得の約4割に過ぎない。

・  離婚した父親から養育費を受け取っているのは20%のみ。

 

○  寡婦控除のみなし適用を実施している自治体(把握分)

・  保育料………札幌市 仙台市 新潟市 千葉市 新宿区 豊島区 文京区 千代田区 八王子市 立川市 国立市 日の出町 蒲郡市 奈良市 岡山市 松山市 高知市 高松市 熊本市 那覇市

 


一般質問で犬猫殺処分ゼロを訴えました

2014年06月11日 | Weblog

 昨日、市議会本会議の一般質問で登壇し、3項目について質問しました。

 今回一番力を入れたのが「犬猫殺処分」の問題です。動物愛護が推進されているとはいえ、全国で年間16万匹以上の犬猫が殺処分され、悲しい最期を迎えていることに衝撃を受け、犬猫殺処分ゼロを訴えました。

 動物も人間と同様、この世に生を受けた生き物であり尊い命です。動物を大切にする気持ちは、より豊かな人間社会を作ることにつながります。動物に優しいまちは人間にも優しいまちだと思います。

 私の質問に対して、当局は「国の動向を見ながら殺処分を減らす取り組みを積極的に検討していきたい」と答弁しました。これを確実に実行してもらうよう、みなさんもぜひ声をあげていきましょう。

 以下、質問原稿をアップします。より良い施策を打ち出すため、忌憚のないご意見をお願いします。

 


【一般質問】 犬猫殺処分について

 

 動物愛護が推進されていますが、依然として数多くの犬猫が殺処分されています。人にも動物にもやさしい共生社会実現のため、犬猫殺処分ゼロを目指すべきとの立場から質問します。

 まず、健康福祉部保健センターに質問します。

 日本全国で飼育されている犬猫は推計約2,062万匹(犬1,087万匹、猫984万匹/2013年 ペットフード協会)にのぼります。一方、15歳未満の子どもが推計約1,633万人(2013年 総務省)と過去最低を更新しており、今や子どもの数よりも犬猫の数が多く、それだけ犬猫の存在が大きくなっています。

 しかし、無責任な飼い主による飼育放棄や飼い主の生活事情、悪質なペット業者などが原因で殺処分される犬猫が少なくありません。

 10年前の2004年度には、約41.8万匹(犬18.1万匹、猫23.7万匹)の犬猫が全国の自治体に引き取られ、そのうちの約94.4%、約39.5万匹が殺処分されました。それから現在に至るまで、自治体は所有者に返還したり、新しい飼い主へ譲渡したり努力してきました。また、民間の動物愛護団体による活動も活発化し、年々、引き取り数、殺処分ともに減少し続けています。

 とはいえ、2012年度においても約21万匹(犬7.2万匹、猫13.8万匹)の犬猫が引き取られ(所有者不明のものが多い)、約8割の約16万2千匹(犬3.84万匹、猫12.34万匹)もの尊い命が奪われています。1日あたりに換算すると400匹に上ります。非常に悲しいことです。

 さて、愛知県の犬猫殺処分の状況はどうでしょうか。愛知県は「愛知県動物保護管理センター」が犬猫殺処分を行っています。本所は豊田市にあり、支所が3か所あります。江南市を含むこの地域一帯を管轄しているのが尾張支所であり、一宮市浅井町に施設があります。

 現在、愛知県では殺処分を減らすため、安易な犬猫の引き取りを断っています。度重なる引き取りや、繁殖を制限せずに生まれた子犬、子猫の引き取りなどには応じていません。飼い主の都合でどうしても飼えなくなったら、新しい飼い主を探すよう求められます。それでも見つからなかった場合のみ、センターが引き取ることになります。努力の甲斐あって、過去10年間(2003年度~2012年度)の犬猫の引き取り数の推移を見ると、犬猫ともに約85%減少しました。犬は1,411匹から223匹に、猫は9,297匹から1,253匹に減少しました。それでも約2千匹が悲しい最期を迎えています。

 では、昨年度、江南市における犬猫殺処分の実態はどうなっていますか。あわせて、殺処分の方法についてもうかがいます。

 

愛知県、江南市における犬猫殺処分

 

○  2012年度

 

引き取り

捕獲

負傷

返還

譲渡

殺処分

223

1,716

21

603

480

856

1,253

 

175

2

239

1,187

   犬の殺処分数=(引き取り+捕獲)-(返還+譲渡)

   猫の殺処分数=(引き取り+負傷)-(返還+譲渡)

 

○2011年度 (愛知県) 犬1,104匹 猫1602匹 

(江南市) 犬 12匹 猫59匹

○2010年度 (愛知県) 犬1,113匹 猫2,873匹

(江南市) 犬11匹 猫82匹

 

質問2

 江南市は、犬猫殺処分問題に対してどのような取り組みをしてきたのか、基本計画があったのかどうか、見解を求めます。

 

質問3

 昨年9月1日、改正動物愛護法が施行されました。改正の主なポイントの一つが終生飼養(しゅうせいしよう)の徹底です。飼い主には動物がその命を終えるまでしっかり飼育することが明記されました(第7条第4項)。これに伴い、自治体による犬猫の引き取りを定めた規定が改められ、自治体は相当の事由がなければ引き取りを拒否できるようになりました(第35条第1項)。また、殺処分がなくなることを目指して、譲渡を希望する人を募るよう自治体に努力義務が課せられました(第4項)。

 動物愛護や管理の推進にあたっては、県が主要な役割を果たしていますが、その普及啓発や地域住民に対する直接的な指導については、市町村にその役割が期待されます。

 そこで、改正法の趣旨を踏まえて、以下のことを提案しますが、いかがでしょうか。

①    犬猫殺処分の実態を広く市民に伝える。

②    殺処分をなくすために市民に協力を呼びかける。例えば、センターに収容された犬猫が譲渡されていることや、犬の飼い方講習会が開催されていることを知らせる。収容動物検索情報サイトの活用を呼びかける。

③    飼い主に対しては、終生飼養の義務や適切な繁殖制限措置を講ずる義務があり、その義務を怠った場合には罰則(動物の遺棄には罰金100万円など)が科せられることを啓発する。 ⇒飼い主責任を徹底

④    犬猫が自分の所有であることを明らかにするために、マイクロチップの普及が推進されているが、数千円の費用を要する。犬猫に関する所有明示の実施率は、2010年度の世論調査では、犬が約36%、猫が約20%にとどまっている。次善の策として、首輪、名札、脚環をさせることを強く勧める。

 なお、引き取りの65%、殺処分の76%を占める猫への対応が重要だということを付け加えておきます。

 

捨て猫逃がし問題

○  生後数か月とみられる捨て猫が愛知県の警察に持ち込まれた。警察はセンターに保護を依頼したが、引き取ると殺処分になる可能性が高いため、逃がすように警察に伝えた。

○  後日、警察とセンターの担当者が、動物愛護管理法違反(遺棄)で書類送検され、波紋を呼んでいる。

○  センターは、保護してもほとんど命を生かすことができないため、できるだけ引き取らない方針にしている。

○  告発者(猫好き)の思い:捨てる人が一番悪い。警察にはしっかり取り締まってもらいたい。「猫を捨てることが犯罪だ」と社会全体で考えない限り、せっかく減った野良猫が増えてしまいかねない。

 

質問4

 上記の改正動物愛護法第35条で定められた努力義務を実践して、東京都国立市では犬猫殺処分ゼロを、神奈川県動物保護センターでは犬の殺処分ゼロを、網走保健所では猫の殺処分ゼロを実現し、滋賀県では動物管理センターの収容数が過去最少となるなど、各自治体が実績をあげています。

 犬猫殺処分は自治体の自治義務です。自治体の姿勢如何によって、取り組みが全く違ってきます。改正法の趣旨を踏まえて、江南市も犬猫殺処分ゼロを目標に掲げ、「人にも動物にもやさしい自治体」を目指していくべきです。今後の取り組みと決意についてお聞かせください。

 

東京都国立市

○  2012年度に猫の殺処分ゼロを実現

○  行政とボランティアの連携による地域猫活動

○  ボランティア団体「猫のゆりかご 国立地域猫の会」(2005年立ち上げ)が、自己資金のみで約600匹の猫の不妊去勢手術を行ってきた。

 

神奈川県動物保護センター(平塚市)

○  2013年度に犬の殺処分ゼロを実現(2012年度は92匹)

○  2013年度の犬の収容数は612匹。病気などで死んだ29匹を除き、飼い主に返還されたり、ボランティア団体や新しい飼い主に譲渡された。

○  30以上の団体・個人がボランティアとして登録。昨年9月に引き取り手数料(1匹1,220円)を無料化。

○  シャンプー・トリミングのボランティアと協力し、犬の見栄えを良くして譲渡しやすくする工夫を重ねている。

 

 最後に、以下のことを要望します。

  ①   民間の動物愛護団体、獣医師会との連携を模索すること。

  ②   犬猫の不妊去勢手術への補助制度を今後も継続し、拡充すること。

  ③   新しい飼い主を探し、譲渡の機会を増やすために、多くの人々が集まる公共施設などで譲渡会を行うこと。

  ④   殺処分をなくすための推進計画を策定すること。

 

 続いて、教育委員会へ質問します。

 

質問5

 動物という小さな命に向き合うことによって、命の尊さが分かり、子どもの成長にもつながるものと確信します。学校現場で動物に触れあう機会を設けること、犬猫の問題(例:「78円の命」 豊橋市)を題材として命の授業に取り組むことを検討すべきですが、見解を求めます。

 

78円の命」

○  豊橋市の小学6年生女子(当時)が書いた作文。2012年10月、スピーチ大会で本人が朗読し、最優秀賞を受賞した。

○  近所でかわいがっていた野良猫が生んだ子猫が県動物保護管理センターに引き取られたことを知った。インターネットで調べると、動物の殺処分の費用が一匹78円であることを知り、「動物の命の価値が78円でしかないように思えて胸が張り裂けそうになった」「動物とはいえ、人間がかけがえのない命を勝手に奪ってもいいのか」「生き物を飼うことは一つの命に責任を持つことだ」などと綴っている。

○  豊橋市内の動物愛護団体は「78円の命」と題した絵本作りを進めている。

○  豊橋市教育委員会も「78円の命」を学校の道徳教育に生かすことを検討している。