「このミス」と言われる書評で好評な作家による法廷ミステリーである。特に法律に詳しくなければそれなりに面白いと思う。
ネタばれに近いが、子供を酔っ払い運転で殺されたのに犯人である公安委員会の委員が不起訴になってしまい、6年後ノウノウと生きている犯人を見かけ、また妻は癌で余命が少ないことが判明、夫婦は復讐を始める。その復讐劇の結果起きた殺人事件の裁判模様が本作の内容である。
はじめに6年前の交通事故の様子や現在問題となっている殺人事件の様子が描かれるが、誰が殺されたかは途中まで明らかにされないので、お!そううことか、という意外性が本作の肝だろう。
評価は大きく割れていて、裁判、特に刑事訴訟法に詳しい人はありえない裁判模様だということでバッサリ切り捨てている。まあ、本当の裁判に近い描き方をしたらきっと面白くなくて小説にはならないんだろう。
法律に詳しい方は、2時間ドラマにはちょうど良い架空の世界の擬似裁判、と思えば結構面白い小説と言えるのではないだろうか。
それにしても犯罪の揉み消しというのはどの程度存在するのだろう。
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