YALIN note

MAS/AN 増岡設計室 @入間市
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台南の七夕と16歳成人式

2006-07-04 | 台湾情報
今日児童館に行ったら、大きな七夕飾りが飾られています。
もうすぐ七夕ですね。
旧暦の七夕は台湾では情人節(=バレンタイン デー)の日でもあります。
由来は織姫と牛郎が1年1回しか会えないので、この日に情人節になりました。織姫と牛郎の恋物語は漢朝時代に始まったので、その時から情人節の習慣があったそうです。
台南では七夕の日は情人節でもありますが、16歳の成人式の日でもあります。
なぜなら、織姫は七星娘娘(七番目の姫)」と呼ばれていて、織姫と上の6人の姉妹(=七娘媽)が子供の守り神として16歳未満の人間の子供を大きくなるまで、ずっと見守ってくれているので、七夕の日に16歳の子供が成人式を迎える習慣になりました。
子供が1歳になった頃、廟(=お寺)で七娘媽や註生娘娘、観音様、媽祖(海の守り神様)などにお参りをし、古銭や銀牌、鎖牌を赤い布の袋に入れ、赤い糸で繋いで、首飾りをつくり、子供の首に掛けます。これは「掛糸」と言います。
両親は子供のために願いを祈り、子供が順調に16歳になるまで、毎年廟にお礼のお参りに行きます。近くに廟がない場合は、家にお香を点て、神位の前で新しい赤い糸に換えます。これは「換糸」といいます。子供が満16年になると、七娘媽の誕生日の日に「脱糸」し、廟でお礼のお参りをし、七娘媽に感謝します。
伝統的な儀式によると、まず七娘媽に御香を差上げて、三跪九叩(1回跪いてから3回礼をすることを3回繰り返す)をします。
お供え物をテープルに置き、16歳になる成人は七娘媽の供え物を置いているテーブルの下、そして両親が七星亭を廟の門を背に高く挙げてその七星亭の下からくぐり抜け、
男の子は左に3回を回り、女の子は右に3回を回り、七娘媽亭を出て、紙のお金・経衣(衣装が印刷された紙)を燃やし、
同時に七星亭を燃やして捧げ、首飾りの「赤い糸」を取って(脱糸と言います)から、成人になります。
この成人式は、台南にしかない伝統習俗です。

P.S. 七星亭とは、七娘媽の神居です。
色紙で作った2~3階の高さの館で、一番高い階の正面には、七娘媽の神像が奉られ、他の各面は、色紙を切って作った神仙、人物、花鳥、吉祥物などです。七娘媽は華麗・派手な色が好きなので、この七星亭はとても派手な色彩で作られています。