1964年7月12日、東京オリンピックの年、
川崎球場の大洋ー巨人戦で、とんでもないことが起こった。
ライトを守る大洋長田幸雄選手に向かって、
ライトスタンドから、
長さ20センチ以上の大きなウイスキー瓶が投げられたのだ。
しかも頭をねらって!
もう少しで当たるところだった。
さすがに長田幸雄選手は怒った。
「僕は巨人戦に強かったんで、よく小石とかは飛んできたんですが、
さすがにこれはシャレにならんだろ」
ライトスタンドを見ると、
大洋ファンが、投げた男を指さしている。
コノヤロー!
当時25歳の長田幸雄選手は、なんと、ウイスキー瓶を左手にもったまま、
3メートルほどの、ネット・フェンスを駆け上り、
男を追いかけた。
「殴るつもりはなかったですよ。危ないだろと注意しようと思って」
結局、男は逃げ切り、長田は退場になった。
しかし、それ以上の処分はなかった。
悪いのは、瓶を投げた男である。
この年、長田選手は調子がよく、297の打率だった。
翌年には、ベストテンの6位に入っている。
長田選手は山梨県出身で、
ポパイのニックネームでファンが多かった。
波に乗ると、手の付けられない選手だった。
5試合連続ホームラン・・・
8打数連続ヒット(2ホームラン含む・・・)
…などを記録し、
16年間の選手生活だった。
記憶に残る選手ですね。
ま、オリンピックの年には、
いろんなことが起きるもんやねん。
特にオリンピックの前後の年は、
有名人が亡くなることが多いので、
ご注意を!