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ハ・ドッキュ 「寒渓嶺」「愛日記」

 
 
 
 ヤン・ヒウンの「限界領(寒渓領)https://youtu.be/RLevdLXYWwoが大好きでよく聴いています。この歌の作者ハ・ドッキュの「寒渓領」が、YoutubeにUpされていました。この歌はヤン・ヒウンもそうですが大きく朗々と歌う歌だと思っていましたが、ハ・ドッキュの素朴な歌声にまた違う味わいがあって感激しています。
 詩人のチョン・ドクスが書いた「寒渓領」という詩からインスピレーションを得て、ハ・ドッキュが作った曲。1985年に発表されましたが、ヤン・ヒウンが歌い大衆から愛された曲です。
 寒渓領は江原道にある峠の名前だそうです。
 
    「寒渓領」
 
 あの山は私に泣かないで 泣かないでと
 足下には濡れた渓谷 重なり合う山中
 あの山は私に忘れろ 忘れてしまえと
 この胸を撫で下ろす
 *ああそれでも一筋の 風のように生きてゆきたい
 この山あの山へと涙の雲をつれ 漂う風のように
 あの山は私に下りろ 下りろと
 疲れたこの肩を強く押す*
 *~*
 
 
 ハ・ドッキュは1980年代のフォークグループ「詩人と村長」のメンバーでした。 
 
 現在、牧師であり大学の教授であるハ・ドッキュを韓国のブログで調べてみました。
 
 1980年代 『詩人と村長』で活動して多くの愛を受けた歌手ハ・ドッキュ教授(白石大学)が音楽人として自分を振り返りました。
 ハ・ドッキュは歌手をするようになった動機について、”美術大学に通っていて、アメリカに留学したかったのですがお金がありませんでした。当時私はアマチュアで音楽活動をしていたので、アルバムを出して歌手になりお金を儲けようとしました。 運が良くてテレビやラジオに出演し、プロデューサーの目に止まり、プロ歌手として活動するようになりました。”(ハ・ドッキュは1981年にオ・ジュンスと、フォークグループ「詩人と村長」を結成しファーストアルバムをリリースしています)
 しかしハ・ドッキュは”大衆歌手として幸せを感じることができませんでした。芸能界は私にはあわないし、成功しなくちゃいけないと言う負担は大きく、仕事は自分のやりたいようにできなかった。そのように葛藤が多かった時期だったのです。”
 そんな彼の人生を変えたのは、映画「ウディー・ガスリー/我が心のふるさと」(1976年作)'を見て感動を受けてからでした。
 ”1982年この映画を見て、出世して暮らすための手段で音楽をしたことを恥ずかしく思いました。そして自分の歌で人々を慰めて幸せにすると決め、 快楽よりは「生きる意味」を伝えるという決心したのでした。その後放送出演をしないで、ロックバンドの野菊(トゥルグァッカ)、ハム・チュノ、ヤン・ヒウンなど商業的成功と関係なく、意味ある音楽活動をしている人たちに出会いました。
 その頃作った歌が ”愛日記”です。歌詞の”父のしわを重ねた黄昏に / 誰もいない地を一人で掘り起こす/友の力強い微笑みに / 愛してると刻む”。ハ・ドッキュはふんだんな感性で'”愛日記'”を歌いました。
 ハ・ドッキュはこの歌を書いて, 当時無名で大邱(テグ)のナイトクラブでギターを弾いていたハム・チュノに会って、第2期 『詩人と村長』を結成しました。明洞(ミョンドン)に屋上部屋を得て、寝食を共にし歌の練習をしました。そして 1986年にアルバム2集 「青い帆/愛日記”」を発表しました。
 「詩人と村長」アルバム3集(1988年)”森”では、自分自身の葛藤を描いた代表曲”茨(カシナム)”を書きました。歌詞”私の中には私があまりにも多くて / あなたの休む所はない/ 私の中に虚しい風たちで / あなたの楽な所はない”。ハ・ドッキュが澄んだ声で穏かに”茨”を歌いました。
 ハ・ドッキュはキリスト教信仰を持つようになり、大衆歌謡をしないことを決心し、 ハム・チュノはずっと大衆歌謡界で活動しなければならなかったのでお互いに別れるようになりました。
 ハ・ドッキュは”ハム・チュノさんとは今もたびたび会って演奏も一緒にして, 去年には釜山で一緒に公演もするなど親しく過ごしています”と語っています。
 
 ハ・ドッキュ1集1984年
 ハ・ドッキュ2集 ”休み”1990年
 ハ・ドッキュ3集 ”広野”1992年
 ハ・ドッキュ4集 ”ハ・ドッキュ家”1997年
 
 信仰の道に進み牧師になって布教活動の一環として、ギターで”茨””風景”などを歌っています。
 
 
 
  
 
 ”愛日記”1993年MBCテレビ番組から  左からパク・ハッキ、ハ・ドッキュ、キム・グァンソク 最初はトークで30秒くらいから歌が始まります。  
 
   愛日記
 
 夜明けの空気を切って飛ぶ 鳥たちの翼に
 始発で職場へと向かう労働者たちのたくましい腕に
 広場を蹴り上げる 鳩たちのけたたましい歌声に
 風の中を駆け抜ける 子供たちの澄んだ瞳に
 愛してると刻む 愛してると刻む
 
 疲れ切った表情で戻る 旅人の疲れた肩に
 市場で母の胸で眠る子供の乾いた額
 路地から帰ってくる 父のしわを重ねた黄昏に
 誰もいない地を独りで掘り起こす 友の力強い微笑みに
 愛してると刻む 愛してると刻む
 
 幾度と踏まれる地に 育つタンポポの葉に
 戻ってはこない美しさに 名前を叫ぶ人々に
 故郷へと戻る 少女の冬の夜汽車のガラス窓にも
 果てしなくただ流れる あの人々の孤独な後ろ姿に
 愛してると刻む 愛してると刻む
 
 
 
 
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