八上白兎神社Ⅱと全国神話伝承他

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2010-03-06 15:19:00 | ノンジャンル
『八上神秘の白兎と天照大神伝承』出版から2年以上の月日が過ぎましたが、出版以降も新たな発見が続き、その内容をブログ「八上 白兎神社」で公開してきました。その重大さから、もう1冊著作を世に出しておくことに意義があると思い、出版を決意しました。したがって本書は前作の続編として編集したものです。
 前作の概要の紹介として本作では2008年11月、地元八頭町主催のイナバノシロウサギシンポジウムでの筆者の講演内容を冒頭に掲載しました。
 前作と大きく特徴的に異なる点があります。本作では日本の神話伝承をと解明する上で、今後重要視されると思われる『ホツマツタヱ』に即しながら、因幡・八上に伝わる神話伝承・神蹟を検証・解釈することを基調としています。そこでこのホツマについての簡単な紹介を、講演内容の紹介に続けて展開しています。
 本書では因幡・八上の神話に登場する人格神が、過去に実在した方々であることを可能な限り実証しました。神話上の天照大神が、地上にその足跡を残されていること、これは今まで歴史学や神話学でもまともに取り上げられなかったことです。しかし八上には、白兎と出会った天照大神の伝承がいくつかの遺跡を伴って広範囲に残っているのです。
 そして今大きくクロースアップされつつある天照大神の妃神、瀬織津姫と、八上姫・因幡との関係にもスポットを当てました。数ある日本の古文書の中で唯一、ホツマにしか登場しない瀬織津姫の名は、全国各地の約500の神社に祭神名として残り、中臣氏が作成した大祓祝詞にも登場するので、少なくとも7世紀までは中央の祭祀掌握者には勿論、庶民の間にも瀬織津姫については何らかの情報があり、信仰の対象であったといえます。しかし、その直後、712年と720年に完成した記紀には一切登場しておらず、意図的に除外されたことが十分にうかがえるのです。
 このような観点から、記紀の記述を検討し、整合性のあるホツマの内容を正当ないしは真実に近い書、と措定したとき、主に因幡(と丹後)に伝わる神話伝承がいかなる意味を持ちうるかを念頭に置きながら、本書で論を進めました。
 本書がきっかけとなって、今まで「記紀に載っていないから」という理由で大して省みられることのなかった、全国各地に残る神話伝承にもっとスポットが当てられることを期待します。
 江戸時代、本居宣長、平田篤胤をはじめとする在野の国学研究はその後、江戸幕府を倒す大きな思想的支柱となりました。在野の研究は21世紀の現代、再び重要な意義を持とうとしています。