おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

おとり捜査猫ニセ獣医師逮捕

2006-02-10 13:43:56 | 動物・ロボット・植物
 「猫の手も借りたい」という表現は、猫というものがいかに役に立たないペットであるかということを逆説的に表現している。麻薬犬や警察犬など犯罪捜査に戦力として投入されている犬とは正反対だ。
 ところが「三毛猫ホームズ? いえ、おとり捜査猫」という朝日新聞2月10日の記事。これには仰天した。

 獣医師免許なしに手術をしていた男を逮捕するのに猫が活躍したというのだ。「囮捜査猫フレッド 8ヶ月」。「捜査陣はブルックリンのアパートに録音、撮影装置を仕掛けたうえで、去勢手術のためにフレッドを引き取りに来るよう男に要請」。まさに「猫に鰹節」。「男は135ドルで去勢手術を請け負い、現金を受け取ってフレッドを連れてアパートを出たところで逮捕されたという。」(朝日)
 そもそも捜査官がこの男を内偵したのは、「5歳の犬が開腹手術を受けた後、縫合部分に感染症を起こし、安楽死を勧められたという飼い主からの通報」だった。「猫も杓子も」手術して荒稼ぎしていたようだ。命を助けられた犬バートは、記者会見で恩猫フレッドをペロペロなめて感謝の気持ちを表している(上の写真)。

 「フレッドは生後4カ月で市動物保護管理事務所に保護された迷いネコだった。片方の肺が機能せず、衰弱が激しく、たまたま検察官事務所の職員が養育を買って出た。その後、健康は回復したため今回のおとり捜査官に任命された。」(朝日) 飼い主によるとフレッドは落ち着いた性格で、見事に「猫をかぶって」淡々と任務をこなし、記者会見でも堂々の対応をしていた。

 そう言えば、あの大西洋を渡った猫エミリーも動物愛護協会に保護されていた迷い猫だった。日本のようにまだペットを保護するNGOが未整備の国では、フレッドもエミリーも幼いうちに消えていて、世界中でニュースのネタになることもなかっただろう。日本では「猫を殺せば七代祟る」と言うが、命を助けられた猫フレッドは、多くの犬猫の命をニセ獣医師から救うことになったのだ。





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