おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

テロリスト発見装置を開発:米空軍

2006-01-07 23:13:55 | 発見
危うし「暑苦しい男」

 昨年の8月のことだが、ある民間企業が「今すぐCoolBizを着て欲しい!熱すぎる男性」、要するに「暑苦しい男」のランキング調査を行った。アンケート調査の詳しい結果はここにあるので興味のある方はご覧いただければいいのですが、1位 松岡修造、2位 みのもんた、3位小泉純一郎という結果だった。
 なぜこんな季節外れの話題を蒸し返すかというと、「暑苦しい男」に身のもんた、いや身の危険が迫っていることが分かったからだ。

 「遠くのテロリストも発見? 米軍が“新兵器”開発計画」という共同通信6日配信の記事だ。「暑苦しい男」とどう関係あるのか?それは群衆の中から「テロリスト」を見つけ出すというこの「新兵器」の原理にある。
 自爆テロリストの気持ちになってみろ。あと数分後には自分の体が吹っ飛ぶ、事前に気付かれたら大変だ・・・極度のストレスで体は熱く、呼吸も乱れる。それを遠くから関知できれば「テロリスト」を機械的に発見できる。ウソ発見器の原理だ。ペンタゴンがこの機械を作ってみないかと民間企業に呼びかけているという。

 ブハハハハ・・・そりゃうまく行けばいいけど単純すぎる。例えば”ゴルゴ13”のような訓練された冷徹なテロリストには全く歯が立たないだろう。第一、ウソ発見器だって被験者の物理的な反応(針の触れで見る)だけで結論を出すのでなく、質問を変えたりいろいろな角度から専門家が検討して結論を出すので、最終的には人間の判断だ。
 しかも人間が「熱く」なるのは何もテロを考えているときだけでない。「暑苦しい男」はたぶん24時間熱いだろう。この検知器のそばを通るだけで、彼らは「テロリスト」の警告が画面に表示され有無を言わせずその場に組み伏せられる(悪くするとその場で「処刑」)。ロンドンの地下鉄で「テロリスト」と誤認された外国人が無警告で射殺されたが、もっと攻撃が早くなるわけだ。

国会「活性化」にも一役か

 米軍はどうも最近、「テロリスト」と聞くだけで「熱く」なりすぎる傾向がある。彼らもそんな批判を気にしているのか、「国防総省は救急患者の病状把握や受刑者の自殺防止など“平和目的”にも使えると強調している。」と記事は書いている。この機械は、「マイクロ波やレーザーを利用して最大で対象者から35メートルでの計測が目標としている」らしい。

 それならもっといい「平和利用」の方法がある。興奮状態にある人間を見つけられるのなら、その逆、精神活動の著しく低下している人間を見分けることもできるはず。これを国会に導入するのだ。
 国会の、特に本会議だが、中継をご覧になる方は、画面に映し出される白河夜船状態の先生があまりに多いことに納税者として心を痛めておられるに違いない。携帯電話でゲームしている(本会議中にだ)議員があまりに多いので、それは首相の方からも注意があったが、睡眠ばかりは「目を閉じて重大な思索に耽っていた」(でもよだれ垂らしてましたよーだ)と”偽証”する議員がほとんどで取り締まりようがない。
 国会議員を経験したタレント?森田健作氏がテレビで語っていた。「オレ、あの国会で居眠りしてるやつ、絶対後ろから頭張り倒してやろうって思ってたんだけど、いざ本会議になるとさ、スーと意識が遠のいていくんだよね。あれって不思議なもんだよねー」。「青春の巨匠」さえ自らの意志に反して前後不覚に陥らせるのであるから、国会議事堂にはどうやら魔物が住んでいる、と言うか謎の磁場が流れているに違いない。国会論議が低調なのは先生方の無能怠慢のせいではなさそうだ。

 先生の睡眠にも「時給」が払われてるわけで、この「魔物」はぜひ退治しなければならない。ペンタゴンが例の機械を開発した暁には少しばかり血税を割いてこの機械を購入するのである。そしてここでは「熱さ」でなくて、「冷たさ」、つまり精神活動の低下を警告するのである。心地よい夢の世界へと入った先生を関知して、「35番睡眠モード」と警告が出る。担当官は「35番スイッチオン」と叫んでボタンを押す。ギャー!。電気ショックで国会審議という本来の仕事に呼び戻されるというわけ。あるいは国会中継の場合、この機械とデジタル放送を連動させて、画面で「睡眠中」議員の名前が表示されるようにするのは技術的に困難なことではない。困難なのは先生方がそうしないように圧力をかけるのをどう回避するかだけだ。

日本の市民を米兵から守るため

 それにしても米軍がこの「テロリスト発見装置」を開発したら真っ先に配備するのは自分の基地の中になりそうだ。と言うのも、先日横須賀で起こった残忍な手口の路上強盗殺人犯として米海軍の空母の乗組員が逮捕されたが、米軍は「(無抵抗の女性を殴り殺すような)こんな危険な人物だと見抜けず反省している」と弁明している(神奈川新聞1月6日)という。これ程の凶悪犯は「テロリスト」よりも「熱く」なっているはずなので、この装置で発見は容易なはず。まず拘束して、基地の外に出ないようにすることだ。

 在日米軍には「日本を守ってくれ」というような大きなことを言うつもりはない。ただ凶悪な米兵から善良な日本人を守ってくれればその任務の大半は果たされたとせねばなるまい。そのためにこの新兵器が活用され、日本人が安心して街を歩けるようになるのを祈るばかりである。