おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

『ニワトリに安らかな最期を』:動物愛護協会

2005-11-22 21:47:36 | 動物・ロボット・植物
 光あれば影がある。生があれば死がある。喜びがあれば悲しみがある。
 我々の食欲を満たしてくれる肉や魚。彼らは人間に食われることを光栄と思っているだろうか。そんなことを反省させられるニュースだ。

 米動物愛護協会は二十一日、全米で行われているニワトリなど家禽(かきん)類の食肉処理方法は食中毒を起こす可能性があるとして、米農務省に改善を求める訴訟をサンフランシスコ連邦地裁に起こしたという東京新聞の夕刊のニュース
 協会によると米国では生きた家禽類を金属のかぎに逆さにつるし、通電したプールに漬けてまひさせ、それを機械で処理している。このため家禽類がプールにたまった排せつ物を吸い込み、肉がバクテリアに汚染される可能性が高いという。
 しかもニワトリ達が殺される瞬間には神経がまひするだけで、意識が残っていると指摘。今際の際には意識を絶つべきだと人道的な理由から指摘しているという。

 人間に頬張った瞬間の快感を与えるためだけに、いったい1日に何千万羽のニワトリが死の苦しみを味わわされていることか。「二十四日の感謝祭には、四千五百万羽の七面鳥が食卓に上る。」と記事は付け加えている。七面鳥は人間に「感謝」を捧げるだろうか。地球生誕以来、これほど多くの他の種を大量虐殺して改めない種は現れたことがない。ああ主よ、あなたは何という残虐な種をお造りになったのですか。

朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰮(イワシ)の 大漁だ

浜は祭りの ようだけど 
海のなかでは 何万の 
鰮のとむらい するだろう

(金子みすず『大漁』)


 カーネルおじさん、あなたも罪深い人です。あなたのレシピのために鶏が流した涙で湖ができると考えたことはありますか。
 通常価格1113円『5ピースパック』感謝価格1000円のフライドチキンを頬張りながらあなたの顔を見て涙がとまりません。えっ?こういうのを英語ではcrocodile tearsワニの涙というんですか。


「ドミノ並べの妨害」とスズメを射殺

2005-11-20 16:32:02 | 動物・ロボット・植物
 NHKの報道ですが、オランダでドミノの世界新記録415万5476個が達成されたということです。
 しかし主催者には申し訳ないが、取り上げたいのはこの快挙でなく、主催側の不祥事です。

 ドミノを並べている最中に、会場に舞い込んできたスズメがドミノおよそ2万3000個を倒してしまったというのです。怒った主催者はこのスズメをエアガンで射殺したのです
 NHKの報道を引用すると、<スズメはオランダでは珍しい鳥で、去年絶滅が危ぐされる種に指定されるなど保護を求める声も強く、オランダの動物愛護団体は「記録を達成するためにスズメを殺したのは身勝手な行為だ」とイベントの主催者に抗議しています。>

 確かにドミノで一番消耗するのは、並べている最中に誤ってドミノ倒しが始まってしまうことです。個数にもよりますが、犯人はまあ普通ぶん殴られてるはず。
 しかし今回のように世界記録を狙っている最中に殺生はいけません。世界チャンピオンはまず紳士であって欲しい。世界記録の快挙よりも、この寒々とする行為に対する嫌悪感がドミノ的に広まって喝采を打ち消してしまった。

 それにしてもオランダでスズメが絶滅危惧種であるとは驚きです。ひとつエピソードを紹介しておきましょう、
 プロシアのフリードリヒ大王はサクランボが大好きでしたが、この実がスズメに食われるので、スズメ駆除の命令を出しました。しかしその結果、スズメがいなくなったかわりに害虫が大発生し、サクランボの樹までがやられてしまいました。大王は自らの非を悟り、鳥類の保護にあたり、害虫の駆除につとめたといいます。
(サントリー「鳥百科」から)

【追記】
 スズメを殺したことについて国民の批判が高まる中、オランダのテレビ局はこのスズメの追悼式典を生放送する予定であるとご教示いただきました。ロイター通信
 

「足指食い」猫引き取られる

2005-11-18 11:26:02 | 動物・ロボット・植物
 「1カ月余りにわたって観察したが、凶暴性は認められず、社会復帰は可能と判断した(朝日新聞)って、どこの凶悪犯?いいえこれは猫の話。埼玉県内の特別養護老人ホームで、寝たきりの80代の女性の右足すべての指を食いちぎったとされるネコが17日、収容先の県動物指導センターから県内に住む愛猫家に引き取られた。

 この猫の命は助かったわけだが、警察はこの「猫がかんだことでほぼ間違いないと判断している」という(毎日新聞)。しかしそもそも最初に猫の口に付いていたという血液の検査もしておらず、動物愛護団体からの再捜査の訴えも断った。

 この猫は孤独で放浪癖があったという。だからと言って、最初は猫にすべて罪を被せて、「処刑」して一件落着にしようとしというのは安易すぎる。もしこの事件に人間が絡んでいたらどうするのか。小生のたくさん猫を飼ってきた経験でも猫が長時間かけて人の指を食いちぎるということは想像すらできない。

 いずれにしても「重要参考猫」は生き残った。動物の言葉が分かるという超能力?を持った人がいるらしい。いちど尋問して欲しい。

(猫権保護でこの猫の写真は公開されていないので、代わりに我が家の猫の写真を置きました。事件とは関係ありません)

【追記】 埼玉新聞19日に少し詳しい記述があります。

 この間に寄せられた「猫を引き取りたい」という要望は、群馬県や福島県など他県も含めて五件以上。同所は「今後の経過観察もしやすい」として十七日午後、県内の愛猫家に手渡した。

 同センターの水沢馨次長は「入所中に性格などを調べた結果、譲渡に支障がないと判断した。食欲もあり、当初よりも少しふっくらした印象。幸せになってくれると思いますよ」と語った。

犬の癒やし効果、人より上

2005-11-16 14:10:16 | 動物・ロボット・植物
 人間のセラピストを増やすより、犬を訓練して犬セラを育てた方がいいのかもしれない。
 犬との短時間の触れ合いは、心臓病患者の不安軽減や血圧などの改善に人と接するより大きな効果をもたらすと、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のチームが15日、テキサス州で開催中の米心臓病協会の会合で発表した。共同通信
 犬と触れ合った患者では、不安の強さが訪問前より平均24%低下した。人(ボランティア介護士)の訪問では10%しか低下しなかったというから、いかに犬が優秀か分かる。
 犬や猫と触れ合うことで、認知症が改善されることも分かっている。日本の同様な研究も参考にしてください。「寝たきりで声をかけても反応しない重度の認知症の方でも犬との触れ合いで、ふと意識が普通に戻ることがある」。まもなくカリスマセラピスト犬が登場して、某占い師よりも荒稼ぎするようになるだろう。

追記:典拠など詳しくはこちらの記事を(英文)。まあ当然ですが、この記事の最後には「重病の患者の所に犬を連れていくべからず」と。犬を見て生き返ることはありません。病院には原則ペットの持ち込みは禁止です。
追記2:米心臓病協会 American Heart Association自身のニュースリリースです。 Dogs are a great comfort. They make people happier, calmer and feel more loved. That is huge when you are scared and not feeling well.と結んでいます。

「ナカちゃん」に住民票発行

2005-11-12 14:54:59 | 動物・ロボット・植物
 合併してまもなく消滅する小さな町、那賀川町に突如現れたビッグなキャラクター「ナカちゃん」。町は大喜びで「住民票」を発行した。(上写真)
 アザラシに住民票の発行は今やベタな行為で、もう騒ぐようなニュースではありません。小生が面白いと思ったのは、那賀川町のWebの「ナカちゃんニュース」

 「どんな町おこしをしても、ここまで全国メジャーな話題は作れないであろう。」と"タイゾー君"的正直さで書いているとおり、今こそ町を売り込むチャンスという意気込みが感じられる。お役所的でない文体がいい。

 地図まで用意して見にいらっしゃいとアピールしているが、見つからないことの方が多い。だから、

彼の姿を見つけられなくても、流れる川を眺めて、
リフレッシュした気分で帰りましょう。あわてず、のんびりと。
見物にこられた方は、バードウォッチングでも楽しんでください。
自然をじっくり見物するのも悪くないと思います。
と予防線。
 また役場は「2日に1度の登場=ナカちゃんの法則」を発見したという。

    しかし・・・・
いません。
ナカちゃんの法則によれば、今日一日不在となるかもしれません。
やっぱり、いません。お休み中のようです。
雨が降って、見えません。
遠くで、親子らしきカモが泳いでいる。
今日は、バードウォッチングデイでした。
・・・・とまるで「ヒロシです」のような自虐的なコメントが続く

 税金の無駄使いだと怒っている人もいるようですが、町興しの観点からはこれほどビッグなキャラクター(出演料はしかも無料だ)を利用しない手はない。実際、地図を見ると現場の近くに、「藤中ラーメン」と「タカツ写真」というお店がある。後にも先にもない稼ぎ時だ。住民票どころか名誉町民として表彰してもいいくらいだ。
 「風太君」と言い、「ナカちゃん」と言い、今や動物は最高のコンテンツだ。今の日本には動物に勝てるキャラを持った人物がいないのが淋しいことだ。

猫に小判というけれどー飼い猫が1億円遺産「相続」

2005-11-06 08:48:44 | 動物・ロボット・植物
 日本円にして1億3000万円の遺産を主人から飼い猫が相続。

 亡くなった男性は庭師のデービッド・ハーパーさん。内気で孤独を好んだハーパーさんは、質素な生活を貫き、飼っていた3歳の猫「レッド」に全財産を残すことにした。

 ハーパーさんの遺志に従い、遺産はカナダ合同教会が管理。同教会はレッドが死ぬまで、食事や医療費の負担などの面倒をみるという。

 心温まるというより少し寂しくなるニュース。詳しくは時事-AFP(日本語)、元の記事は"Ottwa Citizen"紙、Million-dollar cat will live high life in church care November 4, 2005、Red, the million-dollar tabby, has enough money to live it up for least nine lives.(英語には猫は9つの命を持つという表現がある)ちょっと皮肉な書き方。ただしこのニュースは登録者以外は読めない。

 遺産目当てで「引き取りたい」と申し出る人は多いでしょう。それを教会が断って、この猫のレッド君が、残りの生涯を主人のことを思い出しながら全うしますように。
(写真は「遺産相続」できない我が家の猫で記事と関係ありません)

お詫び?に別の置物を持参したサル

2005-11-02 11:54:57 | 動物・ロボット・植物
 京都新聞の記事
 玄関から出ると、門の所に一匹のサルが狸の置物を抱えて立っている。びっくりして家に戻ったが、また出てみるとたサルの姿はなく、狸の置物だけがその場に残されていた。
 実はこの家、サル害に悩まされていて、昨年には庭の狸の置物を壊されていた。まさかそのサルがお詫びに別の置物を持参したのでは?と近所の話題になっているそう。
 まるで「ごんぎつね」の童話みたいです。才能ある作家ならここから新しい童話をを作ってくれるでしょう。
 この置物ですが、「どこかの家から持ってきただのだろう」と貼り紙をして道においてあるそうです。持ち主が発見されればお知らせください。