遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

曼殊沙華

2021-09-14 16:07:26 | 日記

令和3年9月14日(火)

曼殊沙華 : 彼岸花、死人花

ヒガンバナ科の多年草、中国原産

彼岸の頃に地下の鱗茎から30~50cmの花茎を伸ばし、

赤い炎の様な花を幾つも輪状に開く。

鱗茎は多量の澱粉を含むが有毒である。土に穴を掘る鼠等

の被害を避けるために、畔や土手等に曼殊沙華を植えたと

も言われている。

花被は6片で外側に反り、雌蕊、雄蕊は長く突き出ている。

秋の彼岸の頃には毎年、時を違えずに土手や畔、薮の中等

に一斉に群がって咲くので「彼岸花」と言われている。

墓地等に咲くので「死人花」「幽霊花」等と言い、他にも

地方には、「捨て子花」「狐花」「火事花」「天蓋花」等

の呼び名がある。

彼岸が過ぎる頃になると、線形の深緑色の葉が生え、翌年

の春には枯れ落ちる。

最近では、品種改良も盛んで花の色も豊富になった。

赤だけではなく、白・黄・紫色等と色とりどりである。

 

宮部みゆきの時代小説「三島屋百物語」(おそろし)の中

に「曼殊沙華」の話がある。

「袋物商の三島屋に引取られた姪のおちかは17歳となる。

店の裏庭には一叢の曼殊沙華が咲いていました。

縁起の悪い花だから刈ってしまえと言われた主人は、縁が

在って咲いた花だからと残して置いた。他所様に嫌われ、

肩身の狭い花、、あのように気まずそうに固まって咲くの

もいじらしいこのままに、、、、、、。

三島屋では主人のところへ、代わる代わる不思議な体験話

をしに客が訪れる。或る日、主人夫婦が急用で留守にした

折りに、藤吉一松田屋の主人が訪れた。代わりにおちかが

話を聴く事になった。松田屋の主人は裏庭に咲いている、

曼殊沙華を見て血の気をなくしました。

「花の間から人の顔が覗いている」と言うのです。

そこから、その主人の身の上話が始まりました。、、、、

一通り話を終え松田屋が帰った後、庭の曼殊沙華はまるで

役目を終えたかのように、一気に枯れ落ちて見る影もなく

なってしまった、、、、、、、、。

 

小学校のプール裏の花壇に彼岸花が植えて在り、毎年今頃

になると真っ赤な花を咲かせるが、ここ数年校庭フェンス

沿いにも所々に花を咲かせている、、、、。

 

今日の1句

現世のおどろおどろし曼殊沙華   ヤギ爺

※現世:うつしよ、この世

 おどろおどろし:気味が悪い、恐ろしい



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