パズドラって何が面白いの?
と、先日、姪から訊ねられ、言葉に窮した。
そういえば一体何が面白くてこんなゲームに血道を上げているのだろう、還暦を過ぎたオヤヂ風情が、と考え込んでしまったわけである。
姪に対しては、所詮ゲームなんだから特段の理由があってプレイをしているわけではない、といい、具体的に「何が面白くてやっているのか」という理由を開陳はしなかった。
だって面倒くさいからね。
オレが面白いと思っていることに相手が共感してくれるとは限らないし、そんな状況でゲームの中身をいちいち申し述べても不毛なだけだ。
そもそもオレ自身、どうしてこんなに続けているのか理由が判然としない。
というよりもこれまで深く考えたことがなかったのである。
以前も書いたが、オレがパズドラをやり始めたきっかけは、単身赴任先の職場の若手にそそのかされてのことである。
つまり、職場におけるコミュニケーション・ツールの一つとして手を出したわけだ。
昼休みなどに集まって、わらわらと情報交換(一方的にオレが教えてもらう立場だったが)をするのも、それはそれなりに楽しいものだったし。
だが、この時にパズドラをやっていたのは6名だったのにもかかわらず、今現在オレのフレンドになっているのは2名。そのうちの1名は長期間に渡ってログインをしていないし、そのほかのメンバーは次々にドロップアウトしてしまった。
やいのやいのといいながら、どちらかというと強引にオレを誘い込んだ当の本人たちはとっくにやめてしまったというわけだ。
彼らが止めてしまったきっかけのうちで代表的なものは「アプリのアップデートの際、誤ってアンインストールしてしまった」というもの。
これはオレも一度経験していて、ガンホーに復旧申請をしたことがある。
現在の経験値、所持しているモンスターの名前、クリアしたダンジョンなど、様式に従って入力をし、復旧をひたすら待つのだが、10日ほどかかるという期間は、オレの場合、4日間で復旧完了と相成った。
その間は復旧待ちの仮IDでやっていたのだが、最初からなので驚くほど弱いメンバーを使ってのチャレンジとなり、それはそれなりに新鮮な感動もあったりしたものだ。
それはさておき、つまり「誤ってアンインストールしてしまった」あと、憑き物が落ちたように興味を失い、それ以来やろうという気が起きなくなったとのこと。
このオレを引き入れておきながらなんだそれは!と憤ったが、畢竟その程度のものだったのだろう。
そんなパズドラなのに、オレはいまだにプレイしている。
ということで、その理由を自分なりに整理してみた。
パズドラは、ガンホーによれば「パズルRPG」なのだそうだ。
なるほどRPGなのか。
確かに、手持ちのメンバーを育成して敵を倒していく、という点はその通りかもしれない。
しかし、RPGを特徴づけている探索とかストーリーという要素はきれいさっぱり割愛されている。
ドラクエのように深いストーリー性はなく、ひたすらダンジョン攻略という戦闘に終始し、そのために必要となるモンスターの入手や育成を図っていく、といういわゆる「やりこみ」型のゲームだと思うので、オレとしてはRPGという感覚は全く持たなかった。
初期の頃は、ダンジョンをクリアしていく毎に新たにチャレンジできるダンジョンが現れるという感じで、探索・踏破といえなくもないし、全てのダンジョンをクリアする、というのが究極の目的だとするのであれば、そこに至るまでをひとつのストーリーと考えられなくもない。
だが、先にも書いたように、それらはほとんど本質的な意味をなしていないような気もするのである。
しかも、敵を倒す方法はパズルであるという単純な構造。
このあたりに、オレ自身が長くプレイを続けている理由があるのかもしれない。
「同じ色のドロップを三つ並べる」という最低限のルールはぷよぷよとかテトリスに近いものがあり、とにかくあまり細かなことを考えずに遊べるという点が、ものぐさなオレにはヒットした。
ノーマルダンジョンの始めの方はあまりに簡単で、楽勝楽勝などといいながらクリアしていく。
とにかく目先のダンジョンをクリアすることのみに注力していたこともあり、モンスターの育成とか経験値を上げることとなどに関しては全く思いも及ばなかった。
一度クリアしたダンジョンはそれでおしまいと勝手に解釈しており、モンスター育成に必要な素材集めの方法すらよくわかっていなかったのだ。
あきれ果てた若い衆が、火水木金ダンジョンを周回して素材を集めなくてはモンスターの育成ができませんよと教えてくれ、そのあたりからようやくいろいろなことに目が向くようになってくる。
パズルが下手くそ所以のゲームオーバーでコンティニューをしまくったりすると、やはり若い衆から「そんな魔法石の使い方はもったいない」と叱られ、ゴッドフェスの時にガチャを引くために取っておかなくてはならない、とアドバイスをされる。
このあたりからネットでパズドラ関連の情報を見るようになり、単なるパズルだけではないのだということにようやく気付いた。
そんなわけで、経験値を上げるとかモンスターを育てるという方向に目が向くまでにかなりの時間を要したため、最初の一年間くらいは全く進歩のない状況であった。
経験値を上げればスタミナが増え、モンスターを育成すれば攻撃力も上がる、という当たり前のことに気づき、それを実践し始めたのは恐らくヘラの育成を頑張ったあたりからだろうか。
「神王妃の不夜城」がノーマルダンジョンとなり、ヘラが確定ドロップするようになったことも重なって、それこそなりふりをかまわず頑張ってヘラの育成に励んだものだ。
その後は当面の目標としてゼウスの入手をターゲットにする。
降臨ダンジョンをぼちぼち攻略できるようななったのもこの頃からだろうか。
さて、そんなふうにして既に1300日を超えた。
ランクは630くらいでてんでダメなレベルにある。
そんな状況なのに、なんだかんだと毎日やっているのはどうしてだろう?
ここで冒頭の姪の問いかけに戻るわけである。
これを機会にいろいろと考えてみたが、結局のところ「モンスターの育成」がその一つの大きな要素なのかなと思っている。
各種モンポ龍、光ミル、ゼローグ∞、デスファリオン、オルファリオンあたりから始まって、アンドロメダ、ペルセウス、孫悟空などの覚醒にも、その素材集めが地味に面倒くさく、素材の素材のそのまた素材を集めてこなくてはならない。
しかも、進化素材となるミオンだのスタージャスティスだのハヌマーンだのの降臨はそこそこ嫌らしいダンジョンだし、こいつらの育成にはほかの降臨ボスが必要になるし、そいつらの進化にもまた…。
正直、いったい今オレはどのモンスター育成のための素材を集めているんだろうかと、頭の中がこんがらがってパニックになってしまうくらいだ。
さらにいえば、こうした素材集めのためにモンスターBOXが満杯になってしまう。
しかも、苦労して育成した割には「大して使い道がない」なんてことにもなりかねず、病膏肓に入るとは正にこのことかと苦笑するくらいだ。
一時は+集めにも血道を上げていたが、これだってモンスター育成の一環だし、たまドラにしてもスキル上げにしても、アシストとして使うことを想定した上でのことだったりする。
ではどうしてモンスターの育成に血道を上げるか、といえば、これがよくわからない。
モンスターの性能を上げたいというのが公式的な理由なのだろうが、中途半端なままでBOXを占領されているのが煩わしい、というのもあるような気がする。
いつか使うかもしれない、と思って素材をとっておき、そのためにBOXが圧迫される。かったるいから早く進化させてしまおう、みたいな。
何だか堂々巡りとなっているだが、そんなところでガンホーの術中にはまっているということか。
ま、それはともかく、このゲームは無課金でもプレイでき、しかも基本的に一人遊び(最近はマルチプレイが流行りらしいが)なので自分の好きな時に遊べる、という点がオレにはフィットしている。
パズルは相変わらず下手くそだが、それで誰かに迷惑をかけるわけでもないし、負けても別にタダだから後を引かない。
強いて問題を上げるとするのならば、時折女房に「またパズドラ!」と叱られるくらいかな。
課金までしてはまっているプレイヤーはどんなところを面白がっているのだろう?
機会があれば是非とも訊いてみたいものだ。