或る流行語

天気予報をテレビで観ていて、予報士が冬将軍という言葉を何度も重ねて使うのが気になった。なぜ冬にだけ将軍がつくのか。猛暑の夏には将軍も大将もつかないのはなぜなのか知らない。尤も、私が観ているチャンネルは毎日同じなので、他の局の予報士のことはわからないが、たしかに冬将軍は便利な語である。「来週の初めから急に寒くなります」よりは、「来週はいよいよ冬将軍がやって来ます」の方が恰好がいい。天気予報の世界で流行し、それがニュースキャスターに感染（うつ）ったりするのもおもしろい。

平成最後の･･･というコトバも最近はよく聞くようになった。これから来年の御退位・御即位の時まで、これは何事にもついていくことになるだろう。人名に関してはどうだろうか。私の曾孫は今年の９月に生まれた。平成最後の年の生まれだから、平か成のどちらかの文字を使うだろうかと思っていたが、それはなかった。しかし、私と同じような考えを持つ人はいるはずだと思う。この２文字を使った、たとえば大谷君と同じ翔平だったり、成一郎、悠平、良成、陽平だったり・・・を考えた親御さんはいたと思う。

いずれにせよ、あと20日余りで今年が終わる。平成最後のクリスマスが来る。平成最後の有馬記念がある。平成最後の大晦日が来て、最後の紅白歌合戦が行われ、平成最後の除夜の鐘が鳴る。その夜には、冬将軍が来るだろうか。