水割り3杯の雑談

毎日、夕方6時を過ぎる頃、台所のテーブルで書いていたエッセイをブログに。足元にはエサをねだる愛猫が。私は68歳。

合格

2010-02-01 22:21:38 | Weblog
高校2年になるときに茨城から上京して、都会の私立校に移った。合格してから新学期が始まるまで20日ほどあった。人生には時々いいことがあるものだが、その20日間も愉しかった。まず憧れのローカラーの詰襟学生服を誂え、それが1万2千円であったのを記憶している(当時、日本開発銀行に勤めていた叔父のサラリーが2万円だったことを考えると、衣服類は高かった)。 ついでに遊び着も欲しかった。自信がなかったので、まもなく叔父の妻となるA子さんに買い物を手伝ってもらった。渋谷の東横百貨店へ行って、替えズボンとセーターとポロシャツを買った。祖父や叔父達にもらった合格祝いを封筒に入れて、「これでお願いします」とA子さんに頼み、いろいろと教わりながら買い物を済ませたあとで、A子さんが「ハイ、これおつり!」と封筒を返してくれ、そこには元通りの金額が入っているのに驚いた。A子さんが「お兄さんには内緒でいいわよ」と言い、今日のコトバにすると、カッコイイと思った。腕時計や靴もカバンも新調した。あまり新品揃えだと却ってイナカ臭くならないかという心配もあった。  孫娘が第一志望の県立高校に合格した。2月1日に(4月から登校する)行先が決まってしまうというルールのことはよくわからないが、まずはほっとする。公立(男女共学)向きの性格なので、あとは、どれだけ良い師と友に出会えるかだ。 残念なのは孫娘の得意なサッカー、ソフトボールの部活がないらしく、それを同好会から作り上げていくような楽しみ方をしてくれないかと思ったりする。57年前の私の合格祝いは前記の通りであるが、孫娘の場合はハワイ旅行であって、スポンサーは長女。これはもう時代というほかにない。 貴乃花親方が相撲協会の理事に当選したが、私は数日前から親方の表情をテレビで観ていて、自信アリと見た。この当選も、ひとつの合格にちがいない。