yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

超多忙な毎日、でも斎宮現説宣伝の条

2008-02-09 00:49:30 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
斎宮の現説、雪でも行くぞ!と決めたらよろしくお願いします。


(斎宮第153次発掘調査地。これらは平安時代の建物らしい)
 とても信じれないくらい忙しい!!
 いつ心臓が止まっても不思議がないくらい忙しい!!!
 でも僕の心臓には鋼が生えているらしく、止まる気配などみじんもない(我が父系は心臓病の血筋なのだが、幸か不幸か、私は母方らしく、その気は全くないのである ハハ、残念でした)。

 今朝は朝6時起床。ちなみに昨夜はとても早く寝たのです。午前2時には夢の中。ある本の校正を急がねばと、ベットに入ってから思い出し、ベットの中で再び校正をやり出したのだが、さすがにその頃ばたん!目覚ましが鳴るまで熟睡しましたよ。

 そんな訳で朝一番の仕事は間もなく出る本、広瀬和雄編『支配の古代史』(学生社)の論文「律令国家と海部-海浜部小国・人給制度にみる日本古代律令支配の特質-」の最終校正と討論原稿の校正。校了!投函。やった!!どんな下手くそ原稿でもできあがるとホッとしますね。丁度一年前、この原稿の元となる研究報告やら年度末の報告書やらで煮詰まっていて、そのことが原因で血小板が無くなったのですが、もう一年かと思うと共に、そのことが原稿になったのだ!という感慨も甦ってきて、喜びが倍増しています。優しく待って下さった広瀬さんに感謝です。

 それが終わると直ぐに事務仕事を一つ。昨年歴博を舞台に実施した『長岡京遷都』展についてはかつて御報告したことがあるが、実はこれには後日談がある。
 私の貧乏人根性が頭をもたげて、展示を見学しているときにふと思ったのが、この展示会で使ったパネル類を再利用できないか?ということだった。

 私達が向日市文化資料館を造ったのが今から24年前。この間何度も展示のリニューアルを訴えたのだが、今いる学芸員は長岡京には全く興味がない(古文書しか扱わない)!とても偏った職員、私はこういう方を学芸員とは呼ばない!!とても悲しい!実はそうだから、せっかくの歴博の展示会も巡回できなかったのです。それならば、せめてこのパネル類でももらって、お金も使わずに、リニューアルでもしたらと提案したのですが、どうも「長岡京」は向日市にとってゴミらしく、これまた拒否!

 それならばもっと貧乏な三重大学でせめてこれを授業に使って学生達の教材に利用できないものかと考えた次第なのです。大体いつも思うんですよね、
 あちこちの資料館、博物館で、この頃とても立派な展示会が開かれるんです。でもどんなにすごい展示会でも100万人来ることは滅多にない。せいぜい数万人が多い方!今回も歴博としては久しぶりに2万人を超えたと担当者は大喜びだったようだから、その辺りが相場なんでしょう。つまり、全国民のたったの0.02%足らずが見たに過ぎないんです。そりゃそうですもんね、千葉まで行くだけで往復3万円はかかる。泊まったりしてたらへタすりゃ4万円はかかる。遠方の人はなかなか行きませんよね。でも今の向日市長はわざわざ行ったらしいですよね。立派!(でもその人が職員を異動させられないというのも不思議ですね・・・税金の無駄遣いと言われても仕方がないくらい不思議ですよね。研究者気取り!て言うんですよね。寂しい!!)

 だから、巡回展というのが考えられるようになったんですよね、文化庁が主導する日本列島展なんてその最たるもんですよね。
 そのついでに以前から考えているのが使用済み燃料ならぬ使用済みパネルの再利用なんです。どうせゴミとなって有害物質を出すくらいなら学校に上げるとか、他の市町村に寄付するとかすればどんなに有効かと思っているんです。実際に、僕たちが資料館の学芸員だった頃はそういう活動をして学校に喜んでもらっていたんですが・・・・。

 ということで、歴博に頼んだんです。

 パネル下さい!!と

 と、ところが、ここからがまたまた難題なんです。
 はい、どうぞ、と行かないところがお上の施設なんですね。そのままだったら何にもせずにゴミ!なんですよ。だからゴミとして出す日はいつですか?と。その日にゴミ捨て場で待ってますから、と(笑)。

 まず再利用する許可が必要だということになったんです。確かに相手さんは歴博に使用を認めたことはあっても別の機関が利用することは予想していませんものね。

 うん!確かに。

 そう言わざるを得ませんよね。それからしばらくは許可をもらう機関の住所調べに始まって(残念ながら住所は教えてくれないんですよね、もちろん確かにそんなことまでやってられんという気持ちはよう判るんですがね、・・・・)、電話番号やら担当者やらこれだけで何日かかったことやら。もちろんだーれも手伝ってはくれませんから依頼状から何まで全部自分でやるんですよね。

 やっと出しても、そうは簡単に返事は来ませんよね。何せ相手は天下の東大寺やら延暦寺やら奈良博やら・・・、1ヶ月と踏んでたんですが、それくらいはかかりましたね。この間、遅い!とお叱りを受けるし、もう、また病気になるんじゃないかと思ったくらいですよ。でもようやく、今朝になってやっと最後の機関からファックスが届いて、何とか全部承諾下さった。

 ホッとしました。これで二つ目の仕事完了。

 そして9時半。肉体労働の始まり。

 1年生を相手にやっている授業に「PBLセミナー 実践!博物館学芸員」というのがある。一年生の段階から興味のある学生を集めて学芸員の仕事を一から十まで実践させようというものだ。どうも今の日本の学芸員制度というのはおかしんです!まともな学芸員教育も受けていない中途半端な学者気取りの者が自分の専門らしきものばかりに凝って、自分の趣味で活動する。採用した方も採用した方で、最初の内は金も出すが、そのうち、金も出さない代わりに口もだんさくなって、妖怪の済む空間に変身する。そんなところが余りに多い!!

 先の向日市文化資料館の今の学芸員などはその最たるものだが、でもこれが特別でもないところが、これまた日本の日本たるところなんですよね。あちこちに似たような学芸員もどきが一杯いるんです。ホント、税金の無駄遣いですよ。だからもっとまともな学芸員を育てたいんですよ。まともな学芸員を育てたいというのが僕の一つの夢なんです。そこで、こんなのを企画したのですが、これまたとても大変。その大変さを実感したのが昨日からの展示準備。

 展示会場は国登録文化財(建造物)三重大学旧高等農林学校時代のゲストハウス。これはなかなかいい施設ですよ。でも生物資源学部の管理で、同じ大学でも人文が借りるのは初めてとか。そこでいろいろ手続きがあって、なんとか借りれて、・・・。今日から設営なんです。

 遙か離れた講堂からホワイトボードを借りて、整理室からケースを運び、あるところから机を運ぶ予定が断られ、とにかく午前中はもう一人の学生とフル活動。ぐったり。遅い目の飯を食べて直ぐに斎宮へ。十二単を借りに上がる。同乗の女子学生は暢気なものだが、ちゃんと恥をかかずに借りれるかどうか・・・。そんな不安を持ちながら予定通り斎宮へ、いつきのみや体験館で借りる。なんとかその場をこなし帰ろうとすると、そこに偶然、斎宮歴史博物館の発掘担当のOさんが顔を出す。

 ナナナント明日現説だという。そんな情報も来ないのか?と少しがっかりしながらも、偶然のチャンスを生かさない手はない。直ぐに現場を訪れる。

 Oさんもわざわざシートをめくってくれて臨時見学。とても立派な庇付き建物を発見の様子。昨年もこのブロック(柳原地区)で区画のど真ん中から4面庇の建物が二棟も見つかっているという。博物館ではこれらを斎宮寮の中枢部と考えているようだ。その中心建物の南西部から見つかったのが今回の建物らしい。
 北と南と東に庇を持つ特異な構造の建物。東側が広場だったのだろうか。そうすると官衙的でもあるが、余りに庇付きが多いのにびっくり。斎宮寮だからだろうか。それともここが他の機能なのだろうか。私は前からこの東隣が斎宮寮の中枢部ではないかと考えているので、この庇付き建物群を斎宮寮などの官衙的施設と見るのにはあまり賛成できないのだが・・・。

 2月9日つまり今日!10時から現地説明会ですぞ。明日は雪だとか。ロマンチックですよ。雪の斎宮なんて。写真を撮るだけでも素敵!是非行ってあげて下さい。

 私は何年も前から決まっている壬申の乱ウオークの第10回目なんです。記念の会なので初めて大津京に行きます。無事車が着けるかが心配なんですが、こちらも雪の大津京なんて、粋ですよね。

 そんなこんなで16時に斎宮を出て大学へ。あ、そうそう、大学では公用車があるんですが、あらかじめ登録しておかないと運転できないんです。だから運転手付きの車で行ってたんです。これは楽ちんでした。

 17時に大学へ。早速残っていた学生達と展示の準備。とにかく一年前は高校生。そんな子供達相手に初めての展示会ですからもう大変。ま、それでもなんとか形は整いつつある。会場もさすがに伝統的建造物、とても感じがいい部屋です。展示には期待せずに、指定建物を見学に来るつもりで足を運んでみませんか。

2008年2月12日午後オープン!

PBLセミナーA「実践!博物館学芸員」公開発表展示会

新米学芸員奮闘記!
2008年2月12日午後オープン!
 展示のメインは斎宮歴史博物館からとても苦労してお借りしてきた十二単!!と実践女子大学所蔵の「桃太郎」  中味は秘密! 新米学芸員が丁寧にご説明申し上げます。


(何故かこんな桃をデザインしたかわらも出る。)

 展示の形ができて生協で学生達と飯!

 部屋に帰るとまたまた宿題が山積み、それを片付けつつこれを書いていると日が変わった。

 以上今日の私の一日でした。アー長!


学生の奮闘記も楽しみだねと思ったらもよろしく

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