yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

東アジアGIS研事前研修会の条

2008-02-16 03:08:21 | 歴史・考古情報《日本》-1 宮都
GPSよさそうだねと思ったらよろしくお願いします。

 あと6日で出発となった「GISを用いた東アジア都市・王城遺跡形成史の比較研究」第1回現地発掘調査のための事前研修会を開いた。GPS測量器具の習熟のための研修でもある。


(久しぶりの306号線を北上。途中たまたま停車したところが海蔵川の直ぐ横。この左手の小さな流れが海蔵川。そう!あの大海人皇子が天照大神を遙拝したという川の上流部分。向こうに見えるのが冠雪した鈴鹿山脈。美しいが、寒い!!)

 対象とした現場は、三重県の最北端いなべ市の旧藤原町。丁度、分布調査の真っ最中である。これから先、発見した遺跡の発掘調査が入ってくること間違いない。そこで、担当者と相談して、現地に新点をいくつか打ちこれの測量をやると共に、今後の調査に活かそうという魂胆なのである。


(旧藤原町飯倉にある国土地理院の新点。途中小雪がまい、急遽傘をさすことに。それにしても現代っ子は機械に強い!たった1回の研修でもうほとんど習熟している。嬉しい悲鳴だ。もっと驚いたのは今傘をかざしている学生、ナナナント彼が小学校の時私が三重県で初めて発掘調査した宇賀新田古墳群の発掘現場を訪れたのだとか・・・、そんな学生が考古学に来てくれるなんてとても嬉しい!!これも地域と密着した仕事の成果だと思うのだが・・・・三重大学人文学部文化学科の教員連中の半数はこんなことが大嫌いらしい。「何もしない、このままでいたい、だから何かする奴は泥沼に引きずり戻す。」こんな悲しい教官達の陰謀が現実味を帯びて進み始めた。悲しい!!)

 最新の機器は日進月歩、さらに問題はいろいろな業者がいて、その器具の操作がこれまた異なるという問題。何とかして欲しいが、これが資本主義の無駄な世界。

 何が環境や!と叫びたくなる。要するに資本主義が世界の、地球の環境を破壊していうることは100%間違いないんだから、これを変えればいいのに、中国やソ連までなくなって、そして今やベトナムもアメリカ化、これじゃ、地球は破壊される!!

 それはさておき、GPSだ。

 慣れれば実に簡単に操作できることが判ったのだが、なかなか精度が上がらない。これまでなんにもやっていないところからすればかなりの精度なのだが、それにしても日本の精度には程遠い。


(見事な田園風景。こんな自然を残したいよね。こんな所でのんびり遺跡の発掘調査がしたいよね。)

 それにしても小雪の舞い散る藤原町は寒い!!とうとう一緒に来た学生がダウン。途中で駅まで送っていく羽目に。なかなか物事は予定通りには運ばないものだ。

 明日もこの続き。



(移動局とした藤原町下平の測点。途中猟銃の音が響き渡りみんなドキッツ熊でも出るのかしらと不安な様子。猟銃ってすごい音がすることを初めて知った。)

 問題が発生している田辺城にポイントを打つことになりそうだ。でも、担当者が教え子達で、彼らが基本的に遺跡をいかに残すかという私が伝えてきたつもりのことを実践してくれているのでとても心強い。

 折角、久留倍遺跡の保存運動を一生懸命やっても、義務仕事としてやる学生と、そのことの意味を真剣に理解し、卒業後もその意志を失わない学生がいる。いなべ市のような、こんな卒業生がいてくれるととても嬉しいし、心強い。



(新しい点も旧大安町役場の裏に打った。何となく初々しい気分!やはり新しい技術の習得は嬉しいね。)

 明日は北勢町の端の端、田辺城で測量だ。かつて保存運動をやったが担当者の無関心、無責任で簡単に破壊された上野遺跡とも関係の深い田辺城を調査できるというのはとても嬉しい、それもこちらは遺すことを前提に調査をするというのだからこれほど嬉しいことはない。

田辺城も面白そうだねと思ったらもよろしく