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No Music No Life

ディスカバー・ビートルズ その10

2020年08月22日 | ビートルズ


8月16日放送のディスカバー・ビートルズは、5枚目のアルバム「ヘルプ!」からA面の曲だった。
映画のサントラの役割もあるこのアルバムの邦題は「4人はアイドル」。
当時のビートルズ人気はどうしてもアイドル的で、4人の人間というか、若い男性としての人気が先行していたと思う。
音楽的に語られるようになるのは後世になってからで、当時の若者はそんなこと考えてなかったと思われる。
その辺のギャップが後のコンサート活動中止にもつながっていく。
ビートルズの歴史区分をどこで区切るかについてはいろいろ意見もあるだろうが、とりあえずこの「ヘルプ」アルバムは初期の集大成のように考えられる。
個人的には初期の集大成は次作の「ラバーソウル」だと思ってるけど。
さて、今回のテーマである「ヘルプ!」のA面のなかでは、ジョージ作の「アイ・ニード・ユー」が好きだ(今の気分では)。
この曲ではギターのバイオリン奏法が使われてるけど、これはボリュームペダルではなく、ギター本体のボリュームをジョージ以外の人が操作して録音したらしい。
なんかそういうのってジョージらしい。

今回のビートルズ的なアーティストはエミット・ローズ。
世界初の一人ビートルズと言われ、全て自分で演奏して多重録音してアルバムを作ったらしい。
この作品が非常にビートルズ的というか、ビートルズイズムというか、ビートルズファンのツボを押さえた曲とアレンジで、ビートルズ解散後の空白を埋める存在だったと言われる。
面白いのは、元メンバーのソロアルバムより、ビートルズフォロワーの方がビートルズっぽいものが多いということ。
少し前に紹介されてたトッドラングレンなんかもそうだし、エミゥト・ローズもそうだ。


Emitt Rhodes - With My Face On The Floor


この前のディスカバービートルズ、好きなメンバーアンケートの一位はジョージだった。
常に人気ナンバーワンを競うジョンとポール、もはや順位など関係ないリンゴに対して、ちょっと控えめで弟分なジョージが一位ってのはいかにも日本人が選びそうな順位だ。
というわけで、今回はジョージのソロワークからお勧めアルバム3枚。

まず鉄板なのはこれ「オール・シングス・マスト・パス」。
これは間違いない。
ジョージを聴くなら絶対外せないマストアイテムである。
ほとんど曲はビートルズ時代に書かれたものだけど、控えめなジョージの曲はそんなに入れられない。
そうやって書き溜められた曲が一気に放出されたのがこのアルバムで、発売当時はLP3枚組という圧倒的ボリュームである。
それでいて、米英のアルバムチャート1位というとんでもないアルバムだ。
おそらく3枚組アルバムでは、これより売れた作品ってないんじゃないかな。
僕の感想としては、傑作揃いでジョージってこんなに才能あったのかと驚くんだけど、プロデュースがフィル・スペクターではなく、ジョージ・マーチンだったらもっと良かったと思う。

George Harrison - All Things Must Pass - Lyrics


オール・シングス・マスト・パスはいいんだけど、本来のジョージってもっと地味で後からジワジワくるような作品の方が彼らしい、と考えてる人はけっこう多いと思う。
そんな、控えめなジョージが好きな人にお勧めなのは、『ジョージ・ハリスン帝国」だ。
このアホみたいな邦題とは裏腹に、内容は地味でジワジワくる作品が多い。
ある意味ジョージらしさに溢れている。

The Answer's At The End (2014 Mix)


もう一つは、ビートルズのジョージを期待すると肩透かしを喰らうけど、作品としての完成度の高さから、「クラウド・ナイン」をお勧めしたい。
一曲目から、まるでエリック・クラプトンみたいなブルースロック調で、全体的にはダークなロックアルバムだけど、歌メロはやっぱりジョージだなって感じる。
ここからは「セット・オン・ユー」が全米ナンバーワンヒットを飛ばしている。
ちょうどバブル期の日本でも、ボーリング場やビリヤード場でこの曲がよく流れていた。
僕としては、ジョージの曲が普通に若者の間で大ヒットして聴かれてるという現実が嬉しかった。

George Harrison - Got My Mind Set On You (Version I)
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