Music Mania

No Music No Life

ベテランさんの新作 その1

2020年12月06日 | 音楽
今日はベテラン勢のニューアルバムから。

AC/DC「パワーアップ」



兄のマルコムがなくなってもうAC/DCは終わりかと思ったが、同じヤングファミリーのスティービー・ヤングが加入して復活。
しかし今度はブライアンが厳しい状況になり、代わりにアクセル・ローズが入ってライブをこなす。
そんなこんなでバタバタしてたAC/DCだけど、今年ニューアルバムが出た。
安心して聴けるAC/DCロックで、もはや保守的とか金太郎飴とかそういうのではなく、伝統芸能を受け継いでるみたいなものだ。
ブライアンは完全復活してるし、スティービーのギターも言われなければマルコムだと思ってしまう。
AC/DCはこれでいいのだ。

マドンナ「マダムX」



マドンナはいつでも攻めの姿勢を崩さない。
この人クラスになると、もう固定ファンも多いし、前作と同じようなアルバムを作っても批判されないし、ファンも喜ぶだろうし、アルバムチャートでは首位を獲得するだろう。
それでもこんな攻めたアルバムを出すのはとてもタフな精神力だ。
それはいいとして。
今回の新作は、僕にはぜんぜんいいと思えなかった。
次作は期待しよう。


オジー・オズボーン「オーディナリーマン」



オジーの10年ぶりの新作は予想以上に良かった。
今回はモダンなメタルというかソフト路線だけど、その分メロディの良さが際立っている。
現代の時代感覚と従来のオジーらしさが上手くブレンドされていて、なかなかの傑作じゃないだろうか。
音源を聴く限りにおいては、オジーのボーカルに不安はなく、なんと言っても唯一無二の「声」の持ち主という強さがある。
オジーが歌うと、その声、歌メロに安定感があり、そんな彼のボーカル中心の音作りになっている。
その分ギタリストの存在感は薄いが、それも時代の流れだろう。


エース・フレイリー「オリジンズ VOL.2」



エースの新作はカバー集だ。
歳をとると新しい音楽を聴かなくなるという人は多いが、自分の好きなアーティストでさえ新作は聴かないという、リスナーとして死んでるような人もいる。
そんな人でもこういうカバー集なら気楽に聞くことが出来るだろう。
ヘタにオール新曲のニューアルバムを出すよりリスクは少ないかもしれない。
内容はビートルズ、ストーンズ、ツェッペリンなど、ロックのスタンダードが、ほぼそのままのアレンジでカバーされている。
それでもエースのギター、エースのボーカルで聴くと、しっかりエースミュージックに聴こえるから不思議だ。


サイレンチウム「モティバ」



サイレンチウムはフィンランドのメタルバンドで、1996年デビューだからもうベテランの域に入ってる。
とは言っても、おそらくパッとしないバンドである。
日本で大した人気がないのは仕方ないとしても、おそらく本国でもマニア向きなバンドだろう。
どういうわけか僕はこのバンドがわりと好みで、全部のアルバムを聴いている。
とくにボーカルが今の人に変ってからがいい。
今回のアルバムも、目新しさはないもののサイレンチウムらしいメタルサウンドで、ときには燃える様に激しく、ときには悲しく美しい様が楽しめる。