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先端に立つということは 

2008-01-13 23:18:59 | サイエンス?
病気腎移植、最終報告も容認=学会の委員は異議-宇和島徳洲会病院の調査委・愛媛 (時事通信) - goo ニュース

病気腎の移植については既に米国などでは認可されていると聞く。
医療において、有用な新しい技術や知見があるならば積極的にこれを評価し
現場で役立てるかたちをつくることは速やかに行われるべきだと思う。
しかし、その評価は正確かつ適正なものでなければならないだろうし
十分な安全措置が採られなければならないことも認識しておかなければならない。

万波医師についてはその人となりを知らない
あまり悪し様に言う人が無いところからすれば人格者なのだろう。
率先して病気腎移植に取り組み続けてきたことは、一定の評価に値するかもしれない。
が、敢えて感想を言わせていただけるならば
その行動は「蛮勇」と言っていいのではないかと思える。

先端に立つ以上は、全ての責任を引き受けなければならない。
患者に対するインフォームドコンセント。
移植に当たっての感染症などの諸問題に対する正しい知見と適正な措置。
それらが本当に、能う限り正当になされたか。
失敗・成功を問わず、全ての過程が記録され公開されているか。
そのあたりが医療の面では問題ではないかと思う。

万波医師を支持する人々は
師が善意の人であることを以って全てを善しとする。
そして不幸にも残念な結果に終わった事例については既に済んだこととして
師の責任を追及しようとしない。

医療が科学の一面を持つ以上
失敗にこそ多くの教訓と未来の鍵を見出し得る筈だ。
病気腎移植に反対するつもりは無い。
厚生労働省や移植学会が反対しているのは
まだ十分なバックグラウンドが整備されていないからではないのだろうか。
病気腎移植を活用するには、
今こそ万波医師が行ってきた処置の事例を(施術後の経過もあわせ)詳らかにするべきだろう。
妥当ならそれでもいいだろう。
容認できるなら、無視してよいレベルのどのような課題があったのかを示すべきだ。

善意は免罪符にはならない。

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