コメント
 
 
 
Unknown (shinpei02)
2008-01-07 18:09:14
 あけましておめでとうございます。

>「予見できない事故の責任」というものが理解できない
 予見できていたから大問題になっているのだと思います。
 政府はどうも「予見不可能だった」という形で幕を引こうとしているみたいですが、医学の専門家からすれば「当時でも十分予見できたし、実際、俺たちが『早く対処しろ』と言い続けてただろ」という状態です。
 多分woodさんは小学生のころにインフルエンザの集団予防接種を受けた世代だと思いますが、一人一本の注射器を使い捨てにしていたのを覚えているでしょうか。いつから使い捨ての注射器になったのか確認ができていないのですが、肝炎薬害の感染時期には確実に使い捨てになっていました。つまりその当時の医学では「血液感染は恐ろしい」というのは常識だったのです。
 (僕はテレビを見ないので)世論における官僚への責任追及スタンスがどういうものかいまいち分からないのですが、僕としては「予見可能な人体の被害を防止する職務についていた人物が、職務を全うしないという未必の故意でもって人体に被害を与えたことは刑事事件に相当する」と考えています。これは被害救済という民事的解決だけで幕を引いてはならないことです。
 ちなみに注射針の使い回しが常識だった時代にはそれが原因としか思えない集団感染が発生しており、日本の各地に異常に肝炎感染率が高い集落が点在しています。ただし当時では予見不可能だったので、これに関しては僕は刑事責任はないと考えています。

 刑事責任は推定無罪の原則ですが、責任の所在の検証が行われない限り完全な無罪とはなりえません。そのために本来は官僚は身の潔白を証明するためにも捜査に積極的に協力しなければなりません。公務員という立場を考えるとなおのことです。それをあろうことか文書の隠蔽という手段でもって追求を回避しようとしていることに僕は大きな憤りを感じています。
 もちろん日本国憲法によって黙秘権が保障されており、自発的に犯罪の証拠を提出しなければならないわけではありません。そのかわりに警察や検察に強制捜査件が付与されています。
 しかし公務員は公権力の実行者であり、そのためにいくつかの義務を課されています。その一つが「公共の福祉に反しない限り、国民から情報の開示を求められたときに応じなければならない」です。もしも公権力が国民に対して情報の開示を拒んだとすれば、我々は我々国民の所有物であるべき政府を一部の人間によって横領されていることになってしまいます。それはすなわち独裁政治であり、民主主義を標榜する日本はそれを放置するわけにいきません。
 ある公務員が民間人と同じだけの供述拒否権を持ちたいと願うのであれば、彼は公務員を辞するべきです。日本には(これも憲法に書かれている)職業選択の自由があり、公務員であることを強制されているのではないのです。

 このようにこのバッシングは「刑事責任の追及の要求」と「官僚による権力私物化への反抗」が主原因となっています。前者に関してはwoodさんが恐れているように民間人にも適用される問題ですが、後者に関しては公務員に特有の問題です。
 
 
 
コメント (wood)
2008-01-07 21:18:58
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

Natromさんとか他のblogや新聞記事を見ていると「感染の危険性」を予見できなかったという論が多いようでした。この点は自分のためにももう少し勉強して結論付けるけたいと思います。

もう1つの主題は「国民は役人(政府)にゆりかごから墓場まで面倒を見てもらう」割には金払いは悪いわけちはつけるわという点でもあります。おんぶに抱っこで頼るのであればもう少し優しくしてあげてもと思うのです。
ちなみに私は小さい政府主義者なので「だから役人に頼るな」と言いたいのですが。
 
 
 
ゆりかごと墓場は面倒見てほしいなあ (shinpei02)
2008-01-07 22:57:39
 NATROMさんが「予見できなかった」と言ってるのは1964年とかの話です。僕もその頃に「予見できたはずだ」と難癖をつけるのは強引過ぎると思っています。しかし80年代の初頭あたりにはだいたい知られていたし、厚生省官僚のようにその薬剤に関して専門家であるべき人間ならば肝炎感染リスクを知っていたはずです。逆に彼らが知らなかったとすればあまりにも職務怠慢だし、そんな人間に給料を払ってやる気にはなりません。
 僕は薬剤や肝炎の専門家ではないし、当時はガキンチョだったので詳しくはないのですが、80年代前半のどこかの時点で肝炎感染リスクは専門家にとって知っているべき知識となっていたはずです。そしてその知識を得てから実際に規制を実行するまでのリードタイムまでは過失や未必の故意といった責任は発生しないと考えています。しかしどうやら知識を得てから規制の作成に取り掛かるまでの期間が長すぎるのではないかと感じており、そうだとしたらこの無為の期間に責任が発生します。
 検察もしくは警察がこれを精査し、裁判所が双方の言い分を聞いた結果「官僚は職責に見合っただけの早さで規制の作成に取り掛かった」と立証されるかもしれません。逆に「なんらかの公僕としてあるまじき理由で規制に着手することを控えていた」となったら彼に刑事責任が発生します。
 この薬害問題に関して世論は「保障はどうあるべきか」という民事的問題に集中していますが、僕はこの問題に関して刑事責任のほうが強く気になっています。刑事責任もないのに民事の賠償をすることはおかしいと思うし、「法的責任が発生するようなやり方で他人を害した」人間が放置されるのは恐ろしいことだと思うからです。

>金払いは悪いわけちはつけるわという点でもあります。
 1990年頃の数字ですが、GDPの6割強が政府などの公的機関の予算となっています。郵政民営化をしても日本郵政の株式は政府の所有なので実質はまだ公的機関です。我々はソ連人民よりも金払いがいい国民なのです。

>ちなみに私は小さい政府主義者なので
 僕も小さい政府主義者です。「私有財産の用途は所有者にまかせるべき」との信念です。ただし経済学的に「政府でなければできないこと」が多いことも承知しています。政府支出がGDPの3割くらいがちょうどいいんじゃないかなと勝手に考えています。
 
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