さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【100分de名著】「点と線」「砂の器」「昭和史発掘」「神々の乱心」/松本清張

2018-03-19 23:05:16 | 読書録
松本清張さんの本って、実は読んだことなかったのよ。

小説は歴史小説しか読まない私、推理小説なんか読んでる時間ないわ~と思ってたんだけど、松本清張さんの作品は、しっかりした取材に裏付けられた昭和史を織り込んでいるのだと、恥ずかしながら初めて知った。極めて歴史小説的な推理小説なのだ。

また「昭和史発掘」というノンフィクションも書いていることも初めて知った。特筆すべきは「オーラスヒストリー」という手法で、当時の学者は聞き取り調査をあまりせずに史料ばかりに頼る傾向があったとか。松本清張さんは当時存命されてた関係者数十名に聞き取り調査をおこなっただけでなく、未公開資料もかなり使って、二・二六事件を書き上げたという。

五・一五事件とセットにして学校などで習うものだから、同じような事件だと思い込んでいたけれど、五・一五事件が数名によるテロ事件なのに対し、二・二六事件は1400名による軍事クーデターだった・・なんて、私は全然認識していなかったなぁ。

「昭和史発掘」が発刊されたころ、この作品に対する評価は決して高いものではなかったそうだ。特に学者たちの反応は冷ややか。綿密な取材にもとづくノンフィクションであるにも関わらず、小説家が書いたものだから、創作部分が多いかのように思われたのだろう。

これについては、私自身も思い当たる点がある。子供の頃・・たぶん中学生の頃だったと思うが、近現代史ではなく古代史の番組に松本清張氏が出ていて、確か邪馬台国の話だったかなぁ・・学者と論争していたのだが、見ていて全く説得力がないと思った。小説執筆で培った表現力が裏目に出てるのか、聴いてる側からするとロマンに流れているような気がするのだ。その時、推理小説家が歴史を語るなんて、という先入観が自分にはあったと今では反省しているし、この番組を見て、そんな自分をとても恥ずかしいと思う。

ということで、自分のかつての思い込みを捨てて、是非、昭和史発掘・・・読んでみたいと思う。
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