先週の「歴史秘話ヒストリア」は「最強交渉人、世界に挑む~カミソリ大臣 陸奥宗光~」だった。
陸奥宗光の名前は誰でも知っているだろうし、条約改正に奔走した人であることも、小学校の歴史で習う。
だが、実際どのようにして交渉したのか・・ということは習わない。また、その人となりがどのような人であったか・・ということも。
ちなみに奥様が、大変美しい人で、横顔が、フィギュアスケートの羽生弓弦選手に似ている・・・というのは、最近知った豆知識であるが、そんなことぐらいしか知らなかった。
まず、出だしからツカミOKだ。陸奥宗光が坂本龍馬に交渉術の薫陶を受けた人物であることは、いままで意識したことがなかった。
亀山社中(→海援隊)で龍馬のもとで働き、あの紀州藩から賠償金をぶんどった「いろは丸事件」における龍馬の凄腕交渉術を目の当たりにしていれば、なるほど交渉術は身に付くであろうな。そんな陸奥宗光の力量を見抜いて登用したのが伊藤博文だった。留学もさせてもらい、外務省に勤務し、ついには外務大臣に抜擢された。
陸奥宗光は和歌山出身、龍馬は土佐、伊藤博文は長州。薩長ばかりが幅を利かせていた初期の明治政府にあって、藩の壁を超えて重用されるほど有能な人だったのだな。
そして陸奥宗光の美貌の妻、亮子は花街出身ながら猛勉強して、語学力や社交術を駆使して夫を助けたという。陸奥自身も獄中で政治や英語を猛勉強したという。
そんな風に猛勉強して、不平等条約改正に漕ぎつけた人である・・というサクセスストーリーこそ、子供に教えたらいいのにね。
条約改正に暗雲が漂った時、国会でのスピーチを通じて、諸外国に語りかけ、諸外国からの理解を引き出した・・その不屈の外務大臣は、なんと今の私と同い年で亡くなっている。
昔の人の太く短い人生に触れるたびに、自分は何とダラダラ生きてきたのだろう・・と悔しくなるね。