さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】大人の音楽史入門

2011-05-24 23:58:35 | 読書録
「大人の音楽史入門」
読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史

長沼由美 二藤宏美 著/ヤマハミュージックメディア


今ごろこんな本読んでるのかって、音楽仲間に鼻で笑われてしまいそうなほどカンタンな本。サンプル曲のCDも付いてるが、ほとんど持ってるか知ってる曲。・・それでも買ってよかったと思うような掘り出し物があった。

それは中世の世俗音楽でトルバドゥール(フランス南部の城仕えの騎士達)が使った曲の一つ「雲雀の渡りを見た時」という曲だ。これはカッコイイ(歌詞の内容は悲しい曲らしいんだが)。まるで脳みそに新風を吹き込まれたかのようにすがすがしい気分になった。映画音楽とかにそのまま使えそうだ。

バッハ以降の音楽は色々聴く機会も多いけれど、古い音楽はなかなか聴く機会も勉強する機会もないからねぇ。これはありがたい。

これ以外に私のビックサプライズを2つ挙げておこう。

■20歳の頃のブラームスはイケメンだった!

以前、「イケメンだと思う大作曲家ランキング」というくだらないランキングを作って遊んだことがあるが、1位に青少年期のシューベルトと同率1位になっちゃうかもしれない。

▼イケメンだと思う大作曲家ランキング
http://blog.goo.ne.jp/y-saburin99/e/403775b89769a2c79ad3577491b40424

ブラームスといえば、いままで髭ヅラの写真しか見たことがなく、クララシューマンを見て悶々と悩むオヤジというイメージしかなかったのだが、この本に載ってる20歳のブラームスの肖像は、少女漫画に出てきそうなナイーブで美しい青年だ。金髪を長く伸ばし、青い目と引き締まった口元が印象的だったと、シューマンの弟子が記録しているものが残っているそうだが、そんな美青年がなぜ髭オヤジに・・?

■「さまよえるオランダ人」を書いたワーグナーは、荒海の中を本当にさまよったことがある!

私の誕生日はこの人の命日でもあるのだが、昔「ワーグナー」という映画を見て、ルードヴィヒ2世に金をせびるワーグナーの姿が醜くて、どうも好きになれないでいた。だが、この人かなり波乱万丈というかアウトロー的というかアングラ的というか、ちょっと読んでて呆れた。夫婦で贅沢三昧をして借金をかかえて逃げ出し、変装してロシア国境を突破し、船でロンドンに逃げている間に嵐に遭い、その時の恐怖体験が「さまよえるオランダ人」に生きてるんだってさ。追放だの不法滞在だの中でちゃんと作曲もするし小説も書く。実は小説の方が先に売れ、まず作家として有名になったというからすごい。ワーグナーの楽劇はストーリーもワーグナーが作っているが、そういうマルチで変わった経歴の持ち主だからできることなのだろう。

・・・・

音楽史など知ってるつもりだったけど、この歳になると曲そのものよりも、作曲家の生き様みたいなものも気になるので、たまにはこういう本を読んでいくようにしたい。
コメント (2)
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